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減衰力調整の役割とストロークが抑えられるという誤解を解く

車高調には減衰力調整という機能が付いている事があります。コレを回すと感覚的に足回りが硬くなったり、柔らかくなったりします。(あくまで感覚的な問題)

 

そんな事から減衰力調整をMAXに設定する事で、ストロークを抑えられる。と勘違いしている人も多いです。

 

そこでこの記事では減衰力調整で脚が硬くなったり柔なくなる理由とストローク量に変化は無い。というお話をしていきます。

 

 

減衰力調整とは?

 

まず始めに減衰力調整について理解しましょう。ここを理解していれば減衰力調整でストローク制御が出来る!なんて馬鹿げた話にはなりません。

 

減衰力調整では一体何が調整出来るのかというと、バネが縮んだ状態から伸びるまでの速さを調整する事が出来ます。

 

そもそもショックアブソーバーの役割をご存知でしょうか?

 

ショックアブソーバーとはバネが縮んだ後バネが元の長さに伸びあがろうとする力を暖和してくれる役割があります。

 

バネだけだと段差で縮んだバネは勢いよく元の長さに戻ってしまいます。そいつをゆっくり戻してやるのがショックアブソーバーの役割です。

 

つまりショックアブソーバーは主役ではなく、脇役(縁の下の力持ち的存在)に値するのです。

 

減衰力調整で脚が硬く(柔らかく)なる理由

減衰力調整を硬くするとバネはゆっくり戻ります。減衰力調整を柔らかく設定した場合はバネは早く戻ります。

 

バネが縮んでから元の長さまで戻る時間が変化する事で車の足回りは硬く感じたり、柔らかく感じるのです。

 

これはあくまで感覚的な問題です。バネの硬さは『バネレート』によって決まっています。

 

バネはどこまで縮んでも自由長のキャパ範囲内であれば永遠に同じバネレートで沈みます。

 

多分小学生の理科の授業で教わった内容ですね。

 

ストローク量はバネレートで決まる

先ほど減衰力調整の説明の時にお伝えした通りの理由から減衰力調整ではストロークの制御は不可能!とお話しました。

 

それは車のストロークはバネレートで全てが決まるからです。

 

重複になってしまいますが、ショックアブソーバーはあくまでバネの戻りを制御する為の装備で沈んでいる最中はほぼ仕事をしていないと言っても過言ではありません。

 

あくまでショックアブソーバーはバネの動きを手助けする脇役に過ぎません。ストロークの主導権はバネが請け負っています。

 

車高調の種類によっては縮む時の減衰力調整が出来るものもありますが、その場合もバネが縮むスピードを抑える事が出来るだけの話であって、決してストロークの制御にはなりません。

 

ゆっくり縮もうと、早く縮もうと同じ力を受けると同じ分だけバネは縮まります。

 

まとめ

減衰力調整をMAXに硬くすると、バネの戻りがゆっくりになる為、乗り心地が硬くなることから、ストロークが抑えられているような感覚がしますが、それは気のせいです。

 

バネの戻りがゆっくりになることで、ふわふわとした乗り味から、硬い乗り味に変わります。

 

決して減衰力調整ではストロークの制御は出来ません。ストローク量はバネレートによって決まってくるものだからです。

 

それでは。

 

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