車高調には主に2つのパターンが存在します。
- バネが一体化しているもの
- バネが別体化しているもの
バネが別体化していると、どうやって調整すればいいのか?分からないと思ってしまう方も多いです。
そこでこの記事では別体式車高調の車高調整方法について分かりやすく解説していきます。言ってしまえば、リア側の車高調整のやり方ですね。
別体式車高調(リア)の車高調整方法
別体での車高調で車高調整する場合は、2通りのやり方があります。
- 車高調の下側を外す
- 車高調の取り付けは外さない
車高調の取り付け部分を外すか外さないかの違いですが、手間の掛かかり方には大きな違いになります。
当然、車高調の下側を外さないほうが楽に決まってきます。
しかし、必ずしもそれで調整が出来るとは限りません。
そのため、2通りのやり方を頭に入れておきましょう。順番に解説していきます。
基本的には、マルチリンクもトーションビームも車高調整の方法は似たような作業手順ですが、この記事ではマルチリンクを元に車高調整のやり方を紹介していきます。もし、トーションビーム式(アクスル)の車高調整方法が知りたい方はこちらをご覧ください。
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車高調の下側を外すやり方
車高調の下側を見ると、ボルト1本で固定されているのが分かると思います。
ここのボルトを外すと、ロアアームが下に下がり、バネの長さを変える事が可能になります。
ボルトを外す際はロアアーム、もしくはハブの部分にジャッキを掛けておきましょう。
ジャッキを掛けておかないと、ボルトが外れたと同時にロアアームが下に下がってしまいます。
- ボルトやネジ山が痛む
- 自分が怪我をする
これらのトラブルが考えられますので注意して下さい。
車高調の下側が外れたら、ロアアームに掛けていたジャッキを下ろし、バネの長さを調整します。
バネの長さを調整し終えたら、再びロアアームにジャッキを掛けてバネが遊ばないところまで持ち上げます。
この時、ジャッキを上げ過ぎてしまうと、プリロードが掛かってしまうので注意しましょう。
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バネは遊ばず、手で回せるぐらいが丁度いいです。
そしたら、その状態で車高調が取り付けられるように、車高調の長さを決めてボルトを固定すれば完了です。
車高調を外さないやり方
車高調を外さない場合は、車高を上げるか下げるかによって手順が異なります。
■車高を上げる場合
- ロックシートを緩める×2
- カートリッジを回す
- バネの長さを変える
車高を上げる際には、車高調の長さを先に決めて、その長さに合わせてバネのアジャスターを伸ばしてあげます。
■車高を下げる場合
- ロックシートを緩める×2
- バネの長さを変える
- カートリッジを回す
先ほどとは逆で、先にバネのアジャスターを短くしてから、それに合わせて車高調の長さを合わせてあげましょう。
このやり方をすれば、車高調の取り付け部分をいちいち外さなくても調整が可能です。
ロックシートを緩めて、カートリッジを手で回すと車高調の長さが変わるので、車高調整が可能になります。
車高調整時に抑えておくべきポイント
覚えておくべきポイントは1つです。
- 車高調の長さ
- バネの長さ
この2つの長さを均一に長くしたり、短くしたりするという事です。
調整箇所が複数になる事で、頭が混乱してしまう方がいらっしゃいますが、冷静になって考えてみれば難しい事ではありませんね。
バネを1センチ長くするなら、車高調も1センチ長くする。
バネを1センチ短くするなら、車高調も1センチ短くする。
別体式車高調を調整する際の注意点
別体式の車高調(マルチリンク式)の場合、忘れてはいけないのが【レバー比】です。
レバー比によって、バネの長さに伴って起こる車高変化が変わってきます。
つまり、1センチバネを伸ばしたからと言って、車高が1センチ上がる訳ではないという事です。
レバー比については、コチラの記事で詳しく解説しています。
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まとめ
ここでは2通りの調整方法について解説しました。
- 車高調の取り付けを外す
- 車高調の取り付けを外さない
どちらがやり易いかは、車種や人によって異なります。また時と場合で変わる事もあります。
普段僕は、車高調の取り付け部分は外しませんが、車検などガッツリ車高を調整する場合は、取り付け部分を外します。
自分のやりやすい方法で調整を行いましょう。
基本的にはトーションビームもマルチリンク式の場合も、車高調整のやり方は同じですが、少しだけ違う点もありますので、トーションビーム(アクスル車)のリア調整方法はこちらの記事で別途解説しています。
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それでは。
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