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【加工アクスル】ダウン量が2通りあるタイプの構造とダウン量の調整方法

 

加工アクスルには、車高調整機能(ダウン量の変更)が出来るタイプが存在しますが、どのような構造でダウン量を変更するのかいまいち理解が出来ません…。

 

先日このような質問を頂きました。

 

そこでこの記事では、ダウン量が2通りあるタイプの加工アクスルの構造と車高調整方法について、実際の加工アクスルの写真を使いながら説明していきます。

 

 

【加工アクスル】ダウン量が2通りあるタイプの構造

 

加工アクスルの中には、キャンバー角の調整が出来たり、ダウン量が2通り存在するアクスルがあります。(アクスルで車高調整が出来るタイプ。)この場合の、ダウン量が変更できる構造は至ってシンプルで、ハブの取り付け部分の固定箇所が2箇所存在します。

 

こちらの画像は、少し前に足回りを組み込んだワゴンR用の加工アクスルです。メーカーはパルテックさんです。

 

画像の矢印部分を見てみると、ボルトが通る穴が2箇所余分に空いているのが確認出来ると思います。

 

 

現状センターシャフト部分を固定しているボルト4本(片側2本づつ)を完全に取り外すと、センターシャフト(ハブ、ドラムブレーキの固定)側のブラケットが脱着できる構造になっております。

 

つまり、アクスル本体側とハブが固定される側それぞれにコの字形のブラケットが溶接されており、それぞれをボルトで固定している構造になっています。

 

矢印が示すボルト穴を使用してハブ側のブラケットを固定してやることで、センターシャフト(ハブの固定箇所)と地面の距離が変化する兼ね合いで、ダウン量の変更が可能になっています。

 

  • 現状     50ミリ上げ
  • 空いている穴 30ミリ上げ

 

空いている穴を使ってブラケットを固定してやると、現状の車高よりもアクスルの上げ幅が20ミリ少なくなるため、【車高が20ミリ】上がる計算です。(車高調にはいっさい触らずに。)

 

アクスルを上から見るとこんな感じになっています。ボルトを4本外すと、矢印部分のパーツがアクスルから完全に外れます。

 

※さっきとは別の車種のアクスルですが、こちらもダウン量が2通りあるタイプの加工方法になります。

 

これが加工アクスルで車高の調整が出来る(ダウン量が2通りある)仕組みになります。

 

ただし車高の調整がアクスル側で出来るといっても、決められた2つの数値だけの調整が可能です。先ほどから例に出している数値をそのまま使用すると、30ミリ上げと50ミリ上げの2パターンの場合は、その差分の【20ミリだけ】車高を上げたり下げたりすることが可能です。

 

※車高調のようにミリ単位の車高調整は出来ませんので注意です。

 

これまでに自分の車を含めて10本近いキャンバー調整とダウン量の調整が出来るアクスルを触ってきましたが、どこのメーカーさんも仕組みやダウン量の調整方法は全く同じです。(もちろん、車種問わず。)

 

キャンバー角の調整方法については、こちらの記事で解説していますので、興味がある方はこちらを合わせてご覧下さい。

 

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ダウン量が変更できるアクスルのメリット

 

ダウン量が2通りあって、ダウン量を調整できるアクスルを使用する最大のメリットというか目的は、ダウン量ではなくキャンバー角の調整機能が最大の目的であり、ダウン量が調整出来ることに対するメリットというか恩恵を受ける方はそれほど多くないと思います。

 

キャンバー角の調整を行えるようにする目的で、ボルト固定にしてあるようなものなので、言い方が正しいか定かではありませんが、ダウン量の調整機能はオマケに近いと思ってもらっても良いかもしれません。

 

ただ、中古品の加工アクスルを購入すると、トー角の設定が自分の仕様(車高)とは合わない可能性も…。

 

※キャンバーアクスルは使用する車高によって、トー角が変わってしまう理由はこちらの記事にて解説済みですので、ここでは割愛します。

 

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そんな時に、アクスルのダウン量が2通りあると、アクスル側で車高を下げたり上げたりしながら、車高調側で車高を調整してやることで、トー角を微調整することが出来たりします。

 

例えば、50ミリ上げと30ミリ上げの2通りあるアクスルを使用しており、現状50ミリ上げで使用しているんだけど、リアのトー角がトーアウトになってしまっている。

 

このようなケースでかつ車高調側の下げ幅が残っているのであれば、アクスルの固定箇所を30ミリ上げに変更して、車高調で差分の20ミリを下げ直してやると、車高は現状と何も変わらず、リアのトー角をイン側に向けることが出来ます。

 

当然、その逆も然り。

 

まとめ

 

加工アクスルで車高の調整が出来る仕組みというか原理は、ハブの固定箇所の取り付け位置が2通り用意されているため、固定箇所を変えてやることで、地面からハブまでの距離が変わるため、決められた高さ内で車高の調整が可能になります。

 

  • ダウン量 30ミリと50ミリ

 

オークションなり、メルカリなり、ショップさんのホームページなりにこのような記載(説明)がある場合は、30ミリ上げか50ミリ上げ両方の選択肢があるということなります。

 

車高調のように、ミリ単位の調整が出来る訳ではないので、そこだけは注意です。

 

それでは。

 

▪️加工アクスルに関する記事はこちら

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