車高調のバネがへたるということを耳にしたのですが、車高調のバネがへたるとは一体どういう状態を意味するのでしょうか?また、どうやってへたりを確認する事が出来ますか?
先日、このような質問を頂きました。
そこでこの記事では、車高調のバネがへたるとは?というテーマでお話ししていきます。
車高調のバネがへたるとは?
車高調のバネがへたるとは、バネに必要以上の力(大きな力)が掛かった時に、バネが元の長さまで戻らなくなってしまうことを意味します。つまるところ、バネの全長が短くなるということです。
永久変形と言われたりします。
バネがへたるのは、そのバネが持っている弾性限以上の力が掛かった時に発生します。(キャパオーバーってやつですね。)
基本的には、弾性限以下の力を掛けた場合は、バネは元の長さに戻りますが、長時間荷重がかかり続ける場合には、弾性限以下の力でもバネがへたってしまいます。
車高調に使用するバネがへたる大きな要因は、常に車重が掛かっている状態での使用になる事です。ジャッキアップされる時以外は、常に車重を支えるブラック労働ですかね…。
他にも、車高調のバネが錆びる事でバネの材料劣化により、へたりの進行が進む場合もあります。
劣化が激しいと、折れることも…。(レアケースですが、ゼロではありません。)
ちなみに、弾性限以下の力でバネを使用し続けたとしても、バネは永遠にその性能を発揮する事ができる不死鳥ではありません。そのため、長年使用を続けていれば、ある程度のへたりは起こり得るものです。
バネのへたりを確認する方法は、簡単でバネの自由調を計測してやり、新品状態の全長から長さが変化しているかどうかを調べてやれば確認可能です。
とは言え、短くなっていたとしても数ミリ程度だと思います。
へたるとどうなるの?バネレートも変わる?
車高調のバネがへたるとどうなるの?
- 車高が下がる
- 線間密着の恐れ
車高調のバネがへたると、バネの自由長がその分短くなるため、車高が下がります。ただ、車高調のバネがへたると言っても、10ミリも20ミリも縮まるわけではないのです、大袈裟に車高の変化が現れるわけではありません。
バネの形状やへたり具合、使用状況によっては、バネとバネのクリアランスが狭くなり線間密着を引き起こす可能性もあります。
ちなみに、バネがへたり全長が変わっても、一般的にはバネレート(バネ定数)は変わらずそのままです。
ただ、バネ製作会社のホームページで調べたところ、バネの材質や設計次第ではバネがへたる事で、新品バネより反発力が下がる事があるようです。10個試験をして、1個だけだったみたいですが…。(熱処理等の問題かもって。)
まとめ
車高調のバネがへたるとは、バネが元の長さに戻れなくなり、全長が縮むことを意味します。
基本的には、決められて力を掛けて使用している限りは、元の長さに戻りますが、大きな力が掛かったり、長時間力が掛かり続けたりすることでバネは元の長さに戻れなくなっていまいます。
簡単に言うと、バネのへたりは劣化や寿命みたいなものですね。
バネを販売するメーカーによっては、へたり保証を付けて販売しているメーカーもあります。例を挙げると、【MAXS】さんのスプリングがへたり保証が付いています。(決められて年数で何ミリへたったら。とかだったと思います。)
それでは。
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