エンジンを冷却するために、エンジン内部やラジエター内にはクーラントと呼ばれる緑やピンク色をしたクーラントとい呼ばれる液体が入っています。車やバイク以外にも、エンジンを搭載している農作機械等にもクーラントが使用されます。
クーラントってどんな役割があるの?ただの水じゃ駄目なの?
こんな疑問を抱く方もいらっしゃると思います。
そこでこの記事では、なぜクーラントが使われているのか?クーラントにはどんな役割があるのか?この点についてお話ししていきます。
クーラントの役割
クーラントには様々な役割がありますが、どれも冷却水路を守るためや冷却性能を落とさないための役割があります。大きく分けると以下の3つが大きな役割になります。
- 防錆
- 凍結防止
- 消泡
順番に補足を加えながら紹介していきます。
防錆
クーラントの最も大きな役割となっているのが、防錆です。
錆を防ぐための添加剤が入っています。
冷却水路内に錆が発生してしまうと、冷却水路が汚れて冷却効率が下がったり、錆が冷却水路内に詰まってしまうことでオーバーヒートの原因にも繋がります。錆によって、冷却水が汚れるのを防ぐのも理由の1つです。
冷却水そのものが汚れて劣化することも、冷却性能の低下に繋がります。
クーラントの代わりに、全量を水道水を使用してはいけない一番の理由が錆が発生するためです。
凍結防止
冷却水路内に水を入れてしまうと、0度以下になった際に水は凍ってしまいます…。
液体が固体になると体積が増えてしまうため、冷却水路内を痛める可能性があります。ラジエターを始めとする冷却機関であったり、冷却水が通るゴムホースやプラスティックで作られているパーツ等々。
- 亀裂が入る
- プラスティック部品が割れる
- 冷却水路内の変形
- 膨らんで破裂する など
そのため、クーラントは0度になっても凍らないようにエチレングリコールが主成分の1つになっています。
希釈濃度によっても凍結温度は変わってきますが、以下のような温度になります。
- LLC濃度30% −15度
- LLC濃度40% −25度
- LLC濃度50% −35度
- LLC濃度60% −55度
※一般的なLLCの凍結温度です。
消泡
クーラントには、泡が発生しにくいまたは発生した泡を消す効果のある成分が含まれているため、水よりも泡が立ちにくく、泡が消えやすい性能があります。
ウォーターポンプ(冷却水を全体に行き渡らせる役割を担うポンプ)によってかき混ぜられるように、クーラントをエンジンやラジエター内に送り込むため、内部にある液体は泡立ってしまいます。
液体が泡立ってしまうということは、液体の中に空気が混ざっている状況になるため、冷却効果が下がってしまいます。そのため、クーラントには泡を消す消泡効果もあります。
ちなみにクーラントが劣化してくると、クーラントの性能が下がり、クーラントの消泡効果は薄れていきます。
ワコーズさんから販売されているクーラントブースターと呼ばれる製品をクーラントに混ぜると、劣化して低下していた消泡効果が上がり、泡立ちにくく泡が消えるまでの時間が短縮されるような、クーラント性能を上げるための添加剤も売られていたりします。
こちらの動画でワコーズさんのクーラントブースターの効果を実験してくれています。
まとめ
クーラントには大きく分けて以下の3つの役割があります。
- 防錆
- 凍結防止
- 消泡
どれも冷却効率を落とさない目的や冷却水を守るための役割があります。クーラントではなく、水を使用してしまうと、冷却通路を痛めてしまったりオーバーヒートの原因に繋がる恐れがあります。
これらの理由から、車やバイクの冷却水には水ではなくクーラントが使用されています。
また、地域によっては、クーラントではなく水を使用してしまうと、水が中で凍ってトラブルに繋がる場合もあったりします。
それでは。
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