モンキーのエンジンを組み付けているのですが、クランクシャフトの回転軸部分のベアリング固定部のガタが少し大きいです…。これってこのまま組み付けるとダメですか?
先日、このような質問を頂きました。
そこでこの記事では、モンキーのクランクシャフト回転軸のベアリング部分に発生するガタについて、経験談を交えながら簡単に紹介していきます。
【モンキー】クランクシャフトのガタはどのぐらいまで大丈夫?
モンキーのエンジン内部に組み込まれているクランクケース部分にはまり込む箇所にあるガタの許容範囲内は、0.05〜0.1ミリ程度。(左右合わせて)クランクケースのボルトを締め込んだ際に、クランクケースを引っ張ったり押したりして、微妙に動くぐらいです。
※クリアランスが全くない状態もヤバいし、それはそれで可笑しい。
クランクシャフトをはめ込み、クランクケースのボルトを規定トルクで締め込んだ状態で、クランクケースのクランクベアリング部分に隙間ゲージを差し込み、クリアランスを確認します。
2年ぐらい前に組み付けたモンキーのクランクケースは、隙間ゲージにて計測した結果0.2ミリ。ややガタが多めですが、そのまま組み付けてあります。
0.2ミリぐらいなら、特段エンジンからの振動も気にならないし、異音の発生もなし。サーキット走行するわけでは無いのであれば、0.2ミリぐらいのガタなら特段気になる問題は出ません。このクリアランスが正常なケースで組んだ同じスペックのエンジンと比較したら、振動は間違いなく大きいとは思いますけどね。(現状、そんなに気にならない。クランクシャフトは新品を組んでますが。)
ざっくり400キロ程度は走行しました。ま〜ほとんど走ってませんね。
ただ、長い目で見れば、エンジンにとって悪影響は間違いなく与えるかと…。
対策はシムを入れるかクランクケースを変えるか
どうしてもガタが気になる場合は、以下の2つの対策が可能です。
- シムを入れる
- クランクケースを変える
武川さんから、クランクベアリング部分に入れ込むための、アキシャルシムが出ているので、隙間ゲージで計測したのち、クリアランスが適量になるまでシムを入れて、クリアランス調整をするという方法があります。
ただ、このシムが悪さをするケースもあって、ベアリングの回転にシムが巻き込まれて、災難が起こることも…。
そのため、自分のモンキーはシムを入れずにそのまま組み付けました。もしシムを入れるのであれば、最低でも0.2ミリ以上かな〜。と思います。0.1ミリだと、ちょっと薄くて巻き込みが心配。
僕自身それほどたくさんエンジンを組み込んでいるわけではありませんが、0.2ミリのシムを入れる段階までのガタに遭遇したことがないので、シムを入れた経験はゼロ。
最も確実なのは、クランクケースを交換してしまうこと。これが間違いないです。
あくまでも個人的な意見ですが、このクリアランスによってトラブルが発生したらしたでまたエンジンを組み替えたらいいや。と思えるのであれば、シムは入れずにそのまま組み付ける。(クリアランスが0.2ぐらいだったら。)それだと困るという心境であれば、クランクケースを交換してしまうことをお勧めします。
まとめ
モンキーのエンジンでクランクシャフトを固定した際に、クランクケースとの間に出来るガタ(クリアランス)は、0.05〜0.1ミリぐらいが適当かと思います。
熱膨張を考慮してのクリアランスになりますので、クリアランスが無さすぎるのも問題です。
あくまでも個人的な意見ですが、0.2ミリぐらいまでだったらそのまま組み付けちゃう。0.2ミリのアキシャルシムを入れて、0.05ミリ以上のクリアランスが確保出来るようなら、シムを入れるか少し迷う。0.1ミリのシムを入れるぐらいなら、巻き込みの懸念を考慮して入れない。
0.1、0.2、0.3、0.5ミリの合計4枚セット。
※参考にするか否かは、ご自身の判断で…。
あまりにもガタが大きくて、エンジンチューニングの予算が高額になるのであれば、痛い出費かとは思いますが、クランクケースを新品に入れ替えするのも検討するのが良いかと…。
それでは。
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