スズキ車では有名な【ラテラルロッド】ですが、ラテラルロッドには調整式(長さ)の商品が発売されていることをご存じでしょうか?
この調整式ラテラルロッドの存在はしているけど、どんな時になんの為に取り付けるパーツかよく分からない…
そんな声を耳にすることもしばしば。
そこでこの記事では、ラテラルロッドとは何か?調整式のラテラルロッドは何のために取り付けるのかを解説していきます。
ラテラルロッドとは?
ラテラルロッドとは、アクスルと車体を斜めに繋ぐ棒状のパーツです。
ちなみにラテラルロッドを日本語に直訳すると、【横の棒】という意味です。
ラテラルロッドは主にスズキの軽自動車に採用されています。(ジムニー、ワゴンR、アルトなど)
ラテラルロッドは、横軸方向の剛性アップ(強度)のために取り付けられている部品です。
ダイハツ車やホンダ車などのアクスルは【H型】の形状をしている反面、スズキ車は1本の棒状の形をしています。
■ダイハツのアクスル
■スズキのアクスル
これによって、トレーリングアームと呼ばれる部品でアクスルと車体が固定されるのですが、このトレーリングアームがなかなか長くて細い…(頼りない…)
これだとアクスルが左右に振れてしまう恐れがあるため、車体とアクスルを1本のロッドで繋いで横軸方向の剛性を保っています。
ダイハツ車とスズキ車のアクスルを比べると、車体とアクスルの取り付け距離の長さは歴然ですよね。
ここの取り付け距離が長い事で、キャスター角のズレが最小で収まるというメリットもあります。
調整式ラテラルロッドを入れる時はどんな時?
調整式のラテラルロッドはどんなタイミングで入れるのだろうか?
これは、2つの場合が想定されます。
- 車高を下げた時
- 車高を上げた時
調整式のラテラルロッドは車高を下げた時だけではなく、車高を上げた時にも必要になってきます。
街中を走っているリフトアップされているジムニーの足元を見ると調整式のラテラルロッドがよく装着されています。
車高が上がっているジムニーの場合、ラテラルロッドがよく見えます。
調整式ラテラルロッドの効果
調整式ラテラルロッドは、車高を下げたり上げたりした際に必要になってくる部品ということは理解できたと思います。
では一体調整式のラテラルロッドにはどのような効果があるのでしょうか?
これは、左右タイヤの出ヅラを調整する事が可能です。
ラテラルロッドを採用しているスズキの軽自動車は、車高を下げたり上げたりすると、他のメーカーには無い足回りの動きが見られます。
その動きとは…
左右のタイヤが均等にどちらか片方に寄ってしまいます。
つまり、右後ろはフェンダー内にタイヤが収まっているのに、左後ろはフェンダーからタイヤが飛び出してしまっている状況が生まれるのです。
これは、車高の変化によってラテラルロッドの角度が変わるためです。
▪️イメージ画像
ラテラルロッドの角度が変わる事で、右側から左側への直線距離が変化しているのが確認出来ますね。
ラテラルロッドの角度が変わることで、車体とアクスルの連結距離が変化して、アクスルの位置がズレてしまうのです。
そこに調整式のラテラルロッドを取り付けて、変化してしまった車体とアクスルの距離にラテラルロッドの長さを調整することで、アクスルの位置を正常に戻してやる事が可能です。
調整式のラテラルロッドは車検に通る?
調整式のラテラルロッドはそのまま車検に通す事が可能です。
足回りの部品を調整式に変えると1番懸念させるポイントの1つに【車検】というワードが入ってきますが、その辺りの心配はありません。
構造変更の届け出は不要です。
まとめ
調整式のラテラルロッドは、車高を下げたり上げたりした際にズレるタイヤを元の位置に戻す役割があります。
車高を調整してから、左右の出面が合わないな…
そんな風に感じている方は調整式のラテラルロッドを入れるタイミングかも知れません。ラテラルロッドを調整式に交換する事で解決できるお悩みです。
それでは。