先日、継続車検を行う車のブレーキパッド交換を行いました。
車のブレーキパッドって自分でも交換出来るかな?
そんな人もいると思います。そこでこの記事では、DIYでブレーキパッド交換を検討している人向けに、ブレーキパッドの交換方法について、画像多めで解説していきます。
この記事を読めば、初めてでもブレーキパッドの交換が可能です。
※この記事では、パッドの交換だけにフォーカスしています。ブレーキローターの交換編についてはこちらからご確認お願いします。
用意する工具
- メガネレンチ
- ラチェットとソケット
- パーツクリーナー
- ラバーグリス
- ブレーキパッド
- ピストン戻し
- 棒ヤスリ
- スポイト
工具のサイズは車によっても変わりますが、これが基本的にブレーキパッドの交換に必要なモノになります。
ピストン戻しは、その名の通り出過ぎたピストンを引っ込めるための専用工具です。(後ほど写真付きで紹介します。)
ブレーキパッドの交換方法
ブレーキパッドの交換手順は以下の通りです。
- ジャッキアップする
- キャリパーの下側を固定するボルトを外す
- キャリパーを持ち上げパッドを外す
- パッドの金具等を外して移植する
- ブレーキパッドの面取りをする
- ピストンを戻す
- 各分にグリスアップ
- ブレーキパッドを付けてキャリパーを戻す
一見工程数が多く見えて、大変そうですが、かなり細かく解説するためこのような数になっていますが、実際にやれば作業内容はシンプルです。
ジャッキアップに関しては、こちらの記事をご確認下さい。
順番に画像付きで解説していきます。
キャリパーの下側を固定するボルトを外す
まず始めに、ブレーキパッドを外すためにキャリパーを固定する下側のボルトを外します。
よく見ると、内側にゴムのジャバラ(ブーツ)があるので、そのボルトが目印です。
これはただのボルトではなく、スライドピンなのでこのような形をしています。ブーツがあるので抜く際、少し抵抗を感じますが、ゆっくり引き抜いてしまって大丈夫です。
下側のボルトだけを外してやれば、ブレーキキャリパーを上側に開くことが可能です。(上側のスライドピンを軸に。)この光景を見かけたことがある人もいるかもしれません。
キャリパーを外さなくとも、これでブレーキパッドの交換が可能です。
ブレーキパッドを外す
キャリパーを開いたら、そのままブレーキパッドを外します。
ブレーキパッドは、ハマっているだけなので簡単に外せます。今回の車は片側がクリップが引っ掛かっていました。横からブレーキパッドを押してやると、簡単に外すことが可能です。
ピストン側は、下の画像のように溝にハマっています。
車によっては、左右を仮固定しているピンを外すと横に移動させて、そのまま引き抜ける場合もあります。(この辺はケースバイケース。)
基本的には、下側にブレーキパッドがハマっていて残る車が多い気がします。(上の写真のように。)
キャリパーを車体前方方向からみると、クリップのような針金みたいなものが付いているケースですね。
これが今回取り外したブレーキパッドと、新しいブレーキパッドの比較です。見比べると、減り具合がよく分かります。
- 左側 古いブレーキパッド
- 右側 新しいブレーキパッド
パッドの金具等を外して移植する
ブレーキパッドを外したら、古いパッドについていて新しいパッドには存在しない金具等があれば、忘れずにそれを移植しておきます。
これは、交換する車によっても変わるし、購入したブレーキパッドによっても異なります。両方を比較して、確認してみて下さい。ちなみに、上の金具はブレーキパッドが減った際にキーキー音で残量を知らせるためのもの。(最近の車は、パッドに完全固定式になっていることが大半なので、ブレーキパッドに初めから取り付けられています。)
この時、ブレーキパッドの背面にあるシムもセットで移植しておきましょう。
薄い金属のプレートがハマっていることが多いです。これがシムです。
鳴き防止のために取り付けられています。中には付いていない場合もあるかも…。(基本的には付いています。絶対になきゃダメという部品でもありません。)
パーツクリーナーで綺麗にして、付いていた通りに新しいブレーキパッドに移植すればOKです。
ブレーキパッドの面取りをする
次に、新しいブレーキパッドを取り付ける準備に入ります。
そのままブレーキパッドを組むのではなく、ブレーキパッドの角を棒ヤスリにて削ってやります。これをやっておくことで、ブレーキパッドが偏った当たり方をしたりするのを防ぎます。
結構やらない人もいますが、やっておくに越したことはありません。
特に、ブレーキパッドのみ新品に交換するようなケースは尚更です。(新品のローターや研磨してもらったローターならあんまり面を取る意味はないかも。)
ブレーキパッドによっては、初めから面取りされているものも多いです。その場合は、何もする必要はありません。
ピストンを戻す
現状、このままでは新しいブレーキパッドが装着出来ませんので、ピストンを内側に引っ込ませてやる必要があります。
ここで使用するのが、ピストン戻しです。
構造はシンプルで、ハンドルを手で回していくと、中の金具が開いていきピストンを押し戻していきます。
ブレーキパッドが摩耗していくるに連れて、パッドの厚みが薄くなるため、その分ピストンが出てきてしまっている状態。その薄くなったパッドが入っていたピストン状態では、当然新品のパッドは入らないので、この作業は必要不可欠です。
ピストン戻しが無いんだけど…..。
もし、ピストン戻しが無い場合は、ウォーターポンププライヤーで挟むようにすれば、ピストンを戻せます。ピストンを直接挟まないように、鉄板などを一枚挟んでね。
昔、ツイッターでコーキングガンでピストンを戻している外人さんを見たことがあるな…。その考えは無かった…。(脱帽。)
ピストンを戻すと、キャリパーの中にあったブレーキフルードがタンク側に移動します。
そのため、場合によってはピストンを戻すとブレーキフルードがタンクから溢れるので注意です。僕の場合は、タンクを見ながらピストンを戻し、溢れなければとりあえずここではそのまま。
今回はフロントの左右、ピストンを押し戻してギリギリ溢れないぐらいでした。
もし、溢れそうな場合はピストンを戻している最中でも一旦作業を止めて、スポイト等でフルードを少し抜いてやりましょう。
ここでフルードを吸い取り油面を調整しても良いですが、作業後にブレーキを踏むと戻し過ぎたピストンが丁度良いところまで出てきます。そうすると、再びタンク内の油面が減ります。
ここで最終的な油面(フルードの量)を調整するのがベストです。(一回で済むからね。)
各分にグリスアップ
ここまで来れば、あとは新しいブレーキパッドを入れてやるだけです。
- キャリパーの接点
- ピストンとの接点
- スライドピン
各部にグリスアップを行いましょう。
グリスアップしておかないと、ブレーキが鳴る原因に繋がります。パッドの背面にグリスを塗る際には、当たる分だけに塗ればOKですう。たまに全面に塗っている人を見かけますが…。
ブレーキパッドを付けてキャリパーを戻す
あとは、元通りにブレーキパッドをはめて、持ち上げていたキャリパーを戻して下側のスライドピンを固定すれば、ブレーキパッドの交換作業は完了です。
下側のスライドピンが抜けている状態なので、キャリパーが前後に多少動きます。ブレーキパッドが綺麗にハマるように位置を調整しながら、キャリパーを下に下ろせばOKです。
キャリパーを全て元に戻せたら、ブレーキペダルを数回踏み込んでやり、戻し過ぎたピストンを出してやればOKです。
ここで最終的な、ブレーキフルードの量を確認しておきましょう。多い分は吸い上げて【MAX】の位置に油面が来るように調整です。
もし、ブレーキローターも一緒に交換する人は、こちらの記事をご覧下さい。
グリスは何を使う?
ブレーキ廻りのグリス選びは、人によっては細々使い分ける人もいますが…
ラバーグリスやシリコンを使用してやれ、OKです。シリコングリスが万能でブレーキ廻りにはおすすめです。
ブレーキパッドの背面に塗るパッドグリスというグリスも存在しますが、シリコングリスやラバーグリスで代用可能です。
まとめ
ブレーキパッドの交換方法は比較的簡単に行え、DIY作業でも十分こなせる整備内容です。
下側のスライドピンを1本外せば、キャリパーが開けるのでブレーキパッドを外し、新しいパッドに入れ替えて元に戻すだけ。
とは言え、命に関わる大事なブレーキなので不安なら、自分で作業するのはやめか、整備士の友人等に声を掛けて教えてもらいながら作業すれば良いと思います。
それでは。
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