これから初めて、車高調の調整をしようと思っているのですが、ここだけは気をつけた方が良い点があれば教えて下さい。
先日、このような質問を頂きました。
そこでこの記事では、初めて車高調の調整をする人に知っておいて貰いたい、ありがちな失敗事例をいくつかピックアップして紹介していきます。
車高調整時にありがちな3つの失敗
車高調の車高調整時によくある失敗は以下のようなケースが挙げられます。
- レバー比を気にせず、全長を変えてしまう
- 片輪がだけジャッキアップして調整しようとする
- ジャッキを下ろしてすぐに車高を確認する
レバー比を気にせず、全長を変えてしまう
初めて車高調の調整をする方がやりがちな失敗例が、車高を調整したい分、ショックアブソーバー(車高調)の全長を変えてしまうケースです。
10ミリ車高を下げたいから、10ミリ車高調を短く調整しよう。
サスペンション構造の中には、これでもほとんど問題が出ないケースもありますが、レバー比が大きいサスペンション構造の場合でこれをやってしまうと、10ミリより多く車高が下がってしまいます。逆のケース(車高を上げる際)も同様です。
まず、車高を調整する際には、自分の車のサスペンション構造ではどのぐらいのレバー比が掛かっているのかを確認した上で、車高の調整に取り掛からないと、失敗します。
仮にレバー比が【1対1.5】のサスペンションで、レバー比を無視すると…
30ミリ車高を上げようと思ったのに、45ミリも車高が変わっちゃった…。
こんな感じになります。
詳しくはこちらをご覧下さい。
片輪だけジャッキアップして調整しようとする
車高を調整する際に、片側だけをジャッキアップして、左右の車高調整を順番にやって失敗するケースも珍しくありません。完全に車高調整が出来ないとは限りませんが、作業効率が落ちる場合があります。
※車高の調整幅にもよる。
これは、多くの車のサスペンションにはスタビリンクと呼ばれる部品がついているため、片輪だけをジャッキアップして車高調整をしようとすると、ジャッキアップしていないもう片側のサスペンションが足を引っ張り、調整の妨げをしてしまいます…。
詳しくは、こちらの記事をご覧下さい。
ジャッキを下ろしてすぐに車高を確認する
車高の調整が終わり、ジャッキを下ろしてすぐに車高の確認をする方がいますが、これも失敗に繋がります。
車をジャッキアップし、車高の調整を行ったあとは、ジャッキの油圧を抜いて、地面にタイヤが完全に接地し、車重が乗っかるだけでは完全に現在の車高がわからない(下がり切っていない)状態です。
※その状態より、多少なりとも車高が下がります。
そのため、車高の調整が終わり、油圧ジャッキの油圧を抜いて車を下ろしたあとは、車高の確認をする前に車を一度前後(前進して後退させる)させてから、車高がどのぐらい変わったかを確認するようにしてやります。
実際に数値を測ったことはありませんが、2、3ミリ程度ぐらい(肌感)は、車を前後させるとバネが馴染んで車高が下がります。これは、バネを触っていない状態でもです。
各部のボルトの締め忘れにも注意
車高の調整をするだけであれば、それほど多くのボルトを緩めたり外すことはないと思いますが、必ず各部のボルトを再度確認しておくことをお勧めします。
特に、車高調のロックシートなんかはまさに。ロックシートがちゃんとしまっていない状態で走行してしまうと、走行中に異音が発生したり、車高調のネジ山が痛んだりしてしまいます…。
特に、ストラット構造のサスペンションは、ハンドルを切るのに合わせて車高調が同じように回転します。
そのため、ロックシートが数あるサスペンション構造の中でもっと緩みやすいので気を付けて下さい。闇雲に締め込めば良いという話ではありませんが…。
まとめ
初めて車高調整をしている人を見ていたり話を聞いたりしているなかで、ありがちな失敗談は以下の3つです。
- レバー比を気にせず、全長を変えてしまう
- 片輪がだけジャッキアップして調整しようとする
- ジャッキを下ろしてすぐに車高を確認する
車種やサスペンション構造によっても話は変わってきますが、この3つに関しては幅広い車で同じようなことが言える内容ですので、初めて車高調整をしようと思っている人は、頭の片隅に入れておくことをお勧めします。
ロックシートや、車高の調整時に外したり緩めたりしたボルト類がある方は、そちらの締め忘れにも注意です。これもありがちですね…。
▪️車高調整のやり方に関連する記事はこちら