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ミニクーパーのロアアームブッシュの交換用工具を作成【通称SST】

ご存知の方も多いかもしれませんが、ミニクーパーのコントロールアームブッシュの交換にはSSTが必要です。

 

ブッシュをアッセンで交換すれば、良い話と言えばその通りですが、それにはメンバーを下ろす手間がかかる…

 

そこで便利なのがコチラのSSTなんですが、ま〜高い。個人がお金を出してまで購入するには、どう計算しても採算が合いません。そんなこんなで、SSTを作成します。

 

※無事にここで紹介する自作SSTで交換出来ました。

 

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今回作成しているのは、r53/50のミニクーパー用ですが、BMW車全般同じ感じで作成出来ると思います。

 

 

必要な材料と工具

■材料

  • 鉄パイプ(内径66ミリ)
  • ワッシャー(M36とM12)
  • ボルト(全ネジの長いやつ)
  • ナット(M12)

 

メインとなるパイプはこれを使いました。色々と探しましたが、このパイプの寸法が完璧です。※内径も外形も

 

 

■工具

  • 溶接機
  • 高速カッター
  • グラインダー

 

使う材料と工具はこんな感じです。

 

今回のコンセプトは、極力市販品を組み合わせて作成します。

 

ミニクーパー用のSST工具の自作手順

作業手順はザックリ以下の通りです。

 

  1. 鉄パイプを切り出す
  2. ワッシャーを溶接
  3. もう一度ワッシャーを溶接
  4. ボルトにナットを溶接
  5. ワッシャーにナットを溶接

 

この文面だけ見ると、少しややこしいと思うので、順番に読み進めてもらうとスムーズです。

 

鉄パイプを切り出す

 

まず始めに、鉄パイプを必要な長さにカットします。

 

切断面を平行にカットしたいので、高速カッターがお勧めです。※高速カッターは切断も楽だし。

 

 

 

ここが平行にカット出来ないと、ブッシュを抜いたり圧入する際に上手く力がかからず、使い物にならない恐れがあります。

 

 

今カットしたパイプは、ブッシュを引き抜く際に使うやつですので、ブッシュよりも長くカットする必要があります。

 

ブッシュを抜いた際に、この中にブッシュがすっぽり入り込むイメージです。※イメージというかそうなる。

 

ワッシャーを溶接

 

この鉄パイプにボルトを通すので、ワッシャーを溶接して蓋をします。

 

パイプの内径に合う外径のワッシャーがM36だったので、これを溶接したらまたワッシャーを溶接します。

 

※本当なら、パイプの外形に被さる外形のワッシャーがあればベストだった…。

 

ワッシャー2枚を使って穴径を絞り込む作戦です。

 

多分四角いワッシャーを使えば一回で済みますが、極力当たり面を増やして強度を保ちたかったのと、見栄えの兼ね合いでこの二度手間を選択しました。

 

 

 

  • 背の高い方 ブッシュを引き抜く用
  • 背の低い方 ブッシュを入れ込む用

 

ブッシュを入れ込む用の方は、ブッシュの飛び出し量に合わせて作成した方が良いのですが、車体側から寸法採寸してやる手間が面倒なので余裕を持たせました。

 

つまるところ、ブッシュの飛び出し量に合わせた高さに作成すれば、何も気にせずネジ込んでいき、ブッシュがドン付いたところで止めればOK。ってなります。

 

工具を何回も使うのであれば、そのあたりを配慮した方が良いですが、一回使うかもう一回使う機会があるかどうかの場合は、あまり気にしなくても良い気がします。

 

もう一度ワッシャーを溶接

 

先程もお伝えした通り、このままではボルトが締め込めませんので、もう一度ワッシャーを溶接します。

 

 

ここの工程は、鉄板を当てがい溶接して丸く整えたのち、中止部分に穴を空けるでもいけます。

 

今回は極力【既製品】で作成できるようにしたかったので、このようなやり方を取りました。

 

※深い意味は無いよ。ブッシュ交換するのが目的だから。

 

ボルトにナットを溶接

 

コレはブッシュを引き抜く際のボルトです。

 

本当は生材ではなく焼き入りのボルトが欲しかったのですが、全ネジタイプのボルトがコレしかかありませんでした…

 

 

とりあえず、ナットを溶接しボルトを作成します。

 

※もしダメらな焼き入りボルトを買い直して、タップを切り足して全ネジにする予定。

 

ちなみにこの溶接したナットは、ネジ本体を抑えたい時用に付けてあります。

 

ワッシャーにナットを溶接

  • 左側 ブッシュを圧入する際のやつ
  • 右側 ブッシュを押し込む用のやつ

 

だんだん面倒になってきて溶接が雑だけどそこは触れないでください。

 

綺麗に溶接したい場合は、必ずメッキを剥がしてから溶接しましょう。この手のメッキは薄いですが、家庭用の100Vだとかなり影響を受けます。

 

右側のやつに関しては、ブッシュを抜く際もブッシュを圧入する際も使います。これはM36のワッシャーにM12のワッシャーをはめ込み溶接。その後にナットを溶接しています。

 

※ハンマーで打ち込んだら上手く入った。

 

 

 

この部品に関しては、ブッシュを引き抜く際にブラケット内をスムーズに通過する必要があります。しかしながら、ブッシュの外径とほぼ同じです。

 

このままだと、ワッシャーにも負荷が掛かったり、ブラケットの内部をかじっちゃう恐れがありますので、外径を少し削ってあります。

※削りすぎもダメです。ブッシュの金属部分を押せなくなってしまうため。

 

ナットを溶接した後は、スパッタが入ってタップがダメになる場合があるので、もしダメになったらタップダイスでネジ山を修正しておきます。

 

 

 

SST完成

 

これでミニクーパーのロアアームブッシュを交換する際のSSTが完成です。このブッシュは違う車のやつですが。

 

※今更ながら、SSTとは【スペシャルサービスツール】の略です。

 

もしかしたら、ボルトだけ変えるかもしれません。

 

まとめ

 

このSSTは販売されているのですが、個人が購入するにはコスパ的に宜しくありません。

 

※工具買ったらお店で交換してもらう工賃が払えちゃうよね。って話です。

 

そんなこんなで、今回は自作しました。

 

BMW用は比較的安く販売されているんですが…。(それでも高いけど。)責任は取りませんが、多分これを買えばミニクーパーのブッシュ交換にも使えそうな気がしてます。

 

 

今回作成したSSTを使用した交換作業はこちらの記事で解説済みです。

 

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それではまた。

 

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