先日購入して来た、IS250(GSE20)に一通り足回りを組み込みひと段落した次第でございます。
今回、フロントのアッパーアームに定番流用で知られる、100系チェイサー用を流用して分かった事が3つありますのでそちらについて解説します。
友人の車にチェイサー用のアッパーアームを流用したことはあったのですが、いざ自分の車に組み込むと気がつく事も多いモノです。
チェイサー用のアッパーアームを流用すると何度ぐらいキャンバーが付くのか?
チェイサー用のアッパーアームを何台かに組み込み作業を行なってきたものの、アライメントには行っていないので正確な数値は分かりませんが…
直感的に3〜4度ぐらいは付いていると思われます。(過去のアライメント数値を頼りに。)
お手軽に(安く)キャンバーを付けられるのは間違いありません。
チェイサーのアッパーアームが流用出来る車
- 18.20クラウン
- マークx(120)
- IS(GSE20.21)
- GS
- アルテッツァ
僕が知っている限りだと、このあたりの車がチェイサー用のアッパーアームを流用する事で、キャンバーをつける事が可能です。
実際に、僕が組んだ事があるのはIS、マークx、20クラウン、アルテッツァ。
挙げてみると、結構色々な車にチェイサー用のアッパーアームを組んでいますね…
クラウンにチェイサーのアッパーアームを組んで分かった3つのこと
- Rピンが付かなくなる
- キャスター角がズレる
- アッパーアームとフレームが干渉しやすくなる
大きく分けて、この3つがクラウン系の車にチェイサー用のアッパーアームを流用した際起こる事です。
順番に1つずつ解説していきます。
Rピンが付かなくなる
こちらは結構有名な話ですが、知らない方のためにお話しておきます。
18クラウン辺りの年式と100系と呼ばれるチェイサーのアッパーアームのボールジョイントが長さが違います。
そのため、チェイサー用のアッパーアームを流用すると、ボルト部分の長さが足りず、Rピン(ナットの周り留)が付けられません。
しっかり、ナットを固定しておけば、ナットが緩む事はありませんが、組み込み時には注意が必要です。
トルク管理がかなり重要です。
先ほどからお伝えしていますが、過去に取り付けた車体で、ここの緩みが発生したことはありません。
キャスター角がズレる
チェイサー用のアッパーアームと18クラウン系統のアッパーアームには若干形状の違いがあります。
- 左側 IS250純正アーム
- 右側 チェイサー用調整式アーム
比較の画像が悪くて、少し分かりづらいですが、ボールジョイントの位置が違うのが確認出来ると思います。
チェイサー用のアッパーアームの方が、ボールジョイントの位置が画像右側に寄っています。
ちなみに、写真のアッパーアームはどちらも右側(R)用です。
アッパーアームのボールジョイント位置がズレるという事は、ナックルの位置がズレる。すなわちキャスター角がズレてしまいます。アッパーアーム側だけなのでそこまで大きくズレが生じる訳ではありませんが…。
※こちらの画像は、キャスター角の補正をする前です。
タイヤの位置が少し前側にあるのが分かります。
ガッツリキャスター角がズレるわけではないので、気にならない人も多いかもしれません。
キャスター角が前側にズレしまっている事で、インナーカバーやバンパーとフェンダーの固定部分に干渉する恐れがあります。
今回は自作のキャンバーアダプターにて、キャスター補正を行いました。
ちょっと寸法ミスって、キャスター角補正し過ぎたのはここだけのハナシ。
アッパーアームとフレームが干渉しやすくなる
アッパーアームの上側(フレーム)はアッパーアームの形状に合わせた逃げ(スペース)が確保されています。
そのため、ストロークしてもアッパーアームが綺麗にその逃げ部分に収まるのでアッパーアームは干渉し難い。
しかし、チェイサー用のアッパーアームはそもそも形状が微妙に違うため、その逃げスペースに上手く収まりません。(特に調整式)
そのため、純正のアッパーアームより早い段階でアッパーアームとフレームの干渉が起こります。
過去にチェイサーの純正アッパーアームを組み込んだ際は、そこまで気にならなかったので、調整式のアッパーアームが悪いのかも…。純正のアッパーアームよりも、形状が大きくなっているため。
短縮ナックル入れれば当たらないので、ここもそれほど大きな問題では無いかもしれません。
チェイサー用の調整式アームはどのくらい調整出来る?
今回、初めてチェイサー用の調整式アッパーアーム(クスコ)を組んで分かったのですが、意外にも1番短く調整する事が可能でした。
※キャンバーMAXの調整した図
フロントのアッパーアームはリアに比べて短縮幅の限度が早いです。
これは、ナックルと車高調が干渉してしまったり、車高調とアッパーアームが干渉してしまうためです。
ダブルウィッシュボーン式サスペンションの場合、アッパーアームを短くする事で、ナックルと車高調の距離が近くなります。
当然、アッパーアームを短くし過ぎると、干渉してしまいます。
今回僕は全開まで、キャンバー調整が出来ましたが、使っている車高調(バネの長さやID)によっては調整しきれないケースも当然出てくると思います。
干渉しちゃったけど調整キャパを目一杯使いたい。
もしチェイサー用のアームを流用し、干渉してしまう場合には調整式のピロアッパーマウントを使う事で解決出来ます。
詳しくはこちらの記事で解説しています。
チェイサーの純正アームを組むよりは確実にキャンバー角がつくのは大きなメリットです。
まとめ
過去にも、チェイサーのアッパーアームを流用取り付けして来ましたが、改めて自分の車に組み込むと新しい発見も多いものです。
今までは他人の車に組み込んでいるだけだったから、深く考えていなかっただけかも。
初めてチェイサー用の調整式アッパーアームを組み込んで、感じたのは純正流用で十分かな…というのが本音です。
少しでも多くキャンバーを付けたい。
というのであれば、チェイサー用の調整式アームは効果的です。
純正流用なら、そのまま車検もいけちゃいます。キャンバーもそれなりに付くので純正でもいいかもしれません。
とは言え、部品の流用には【良し悪し】がありますので、そちらはご自身での判断です。
あんまり参考にならないかもですが、こちらのマークxはチェイサーの純正アッパーアーム流用です。
※真似される方は自己責任でお願いします。