ロアアームの加工(ショップにお願いする)を考えています。オプションにキャスターバックという項目がありますがどういう意味ですか?
先日、このような質問を頂きました。
そこでこの記事では、ロアアームにおけるキャスターバックとは何か?というテーマについて簡単にお話ししていきます。
ロアアームのキャスターバックとは?
ロアアームの加工におけるキャスターバックとは、ローダウンによってズレてしまったキャスター角を後ろに下げて元の位置に戻すための加工です。
ロアアームを切断後、わざとズラして溶接します。
※加工品ではないアームにもキャスターバックされているものもあります。(有名どころだとJ-LIENとか。)
キャスター角のズレについてはこちらの記事でお話ししています。
ロアアームを加工する際、わざとナックル部分との連結箇所であるボールジョイントをズラしてやることによって、キャスター角をコントロールすることが可能です。
ロアアームを外したことがある方なら分かると思いますが、ロアアームを外したあとのハブ周りは車体前後方向に動かせますよね?
※そうではない車もあります。
つまるところ、ボールジョイント側をズラしてやるとキャスター角が自在に操れるということになります。
ちなみに【キャスターバック】はその名と通り、キャスター角をバックさせるという意味になります。
車高を下げることによって、キャスターがズレる際は車体前方にズレる(角度が大きくなる)ことが大半なのでキャスターバックという言葉を良く耳にするのだと思います。
キャスターバックもキャスター補正も意味合い的には同じです。
キャスターバックは全ての車で有効とは限らない
ロアアームがあるサスペンション構造なら、全てロアアームによってキャスターバックができるわけではありません。
- トレーリングアーム
- テンションロッド
- スイングアーム などなど
これらが混合するサスペンション構造の場合、ロアアームでキャスターバックをすることは出来ません。
理由はシンプルで、これらがあるサスペンション構造の場合はキャスター角の主導権がロアアームにはないためです。
一概には言えませんが、ロアアームでキャスターバックするのは、ストラット構造のサスペンションを搭載する車によくある話です。(マルチリンクは出来ませんが、ダブルウィッシュボーン式は出来ることが多いです。)
まとめ
ロアアームにおけるキャスターバックとは、ローダウンしたことによってズレてしまったキャスター角を補正する役割があります。その名と通り、キャスター角をバック(後ろに下げる)させるという意味になります。
キャスター角がズレてない状態で、キャスターバック刺せれば当然、それが原因となりキャスター角がズレてしまうので注意です。
キャスター角のズレに関しては、走行性能に直接影響が出ます。そのため、本来であればトー角同様にアライメントテスターにて数値を確認しながら、調整するのが一般的だと思います。
しかしながら、加工によってキャスター角を補正する場合はそうもいかないので、目視で補正量を決める方が多いと思います。
それでは。
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