車の水回り整備には必ずと言っていいほど、クーラントのエア抜き作業が必要になります。
またクーラントは2年1回の交換が望ましいとされています。
エア抜きという言葉を聞いて難しく考える人も多いようですが、やり方を見ながらやれば全く難しい作業ではありません。
基本的にエア抜き作業はどの車でも同じ作業内容になりますので覚えてしまえば色々な車で作業が出来るので基本的なやり方について説明をしていきます。
作業に取り掛かる前の注意点
クーラントのエア抜きをする時は必ずエンジンが冷めている状態で作業を行なって下さい。
クーラントはエンジンを冷やすための水で、走行後はかなり温度が高くてなります。(80〜90度程度)突然そんなに熱いクーラントがかかれば火傷してしまいます…
もし早く冷まして作業に取り掛かりたい時はボンネットを開けておくとより早くクーラントの温度が下がります。
エア抜きに必要なもの
- クーラント
- ジョウゴ
このジョウゴが有ると無いとでは作業のやり易さに大きく関わってきます。
僕自身何度かエア抜き作業する機会があったのですが、いっつも買い忘れて『買っておけば良かった…』って後悔します…笑
これがあれば周りにクーラントをこぼす事も無いし、クーラントを溜めておけるのでちまちまクーラントを補充する手間もありません。
クーラント溢すほどドジじゃない!って思うかもしれませんが、エア抜き最中はポコポコエアーが出て来るので飛び跳ねます…
絶対必要では無いですけど、あったら便利。
クーラントの色は何色?
クーラントの色はメーカーによって異なります。
稀に違う色のクーラントが入っている車種を見かける事がありますが、色が違うだけで性能などは同じなので今入っている色を入れてあげましょう。
- トヨタ・ダイハツ ピンク
- スズキ・ニッサン ミドリ
もし、仮にクーラントの交換をする場合でも、今入っている色を入れた方がいいです。
クーラントの交換時はラジエター下のドレンボルトから抜くのですが、ラジエターのドレンボルトを外しても全てのクーラントは抜けません。
つまり普通にクーラントを交換する場合、大凡ですが半分の量が交換出来ると思って貰えばいいと思います。
そのため、違う色を入れるとクーラントが混ざってしまい、色が汚くなってしまいます。クーラントが汚いと交換時期が分からないですからね。
ラジエターのエア抜き手順
- クーラントを入れる
- エンジンを掛ける
- 暖房をMAXにする
- ファンが回るのを待つ
- エンジンを切る
ラジエターのエア抜きはこの手順で作業します。
工程ごとに詳しく解説していきます。
クーラントを入れる
必ずラジエター下部のドレンボルトが閉まっているかを確認してから、ラジエターの上からクーラントを入れていきます。
ラジエターの口元までクーラントが入ればエア抜き準備が完了です。
エア抜き中はサブタンクにクーラントを入れておいても入れておかなくてもどちらでも大丈夫です。
エア抜き中はラジエターのキャップが空いている為サブタンク内の状況は関係ありません。
エンジンを掛ける
クーラントを入れたら次にエンジンを掛けていきます。
この時エアコンはOFFにしておいて下さい。
また風量もゼロにしてエアコンの送風口からは風が何も出ないようにしておきます。
この状態で10分程度アイドリング状態をキープしてエンジンを暖めていきます。10分間ほど暖気が出来たら次のステップに移ります。
暖房をMAXにする
エンジンを掛ける際には冷暖房共にOFFの状態にしていましたが、今度はエアコンはOFFのまま暖房をMAXにして再びアイドリングを続けていきます。
この時、暖房をMAXにする理由は、クーラントをヒーターコアという通路に通してヒーターコア内のエアーを抜くためです。
またエア抜き中にエアコンをOFFにする理由は2つです。
- ファンが回ってクーラントの温度が下がってしまう
- サーモスタッドの開閉タイミングが判断出来なくなってしまう
基本的にファンが回るタイミングでサーモスタッドが開閉します。
中には『ローテンプサーモスタッド』という商品もあり、純正のものより低い温度でサーモスタッドが開くものがありますが、ファンの動きを目安にエア抜きを行います。
ファンが回るのを待つ
ここまで来たらエンジンが暖まり、クーラントの温度が上がるのをひたすら待ちです。
結構退屈ですが我慢しましょう…
夏場ならともかく、冬場はなかなかファンが回りません…
ファンが回るのを待っている間にもポコポコエアーが出て来るため、少しずつクーラントは減っていきます。クーラントが減ったらその都度補充しながらひたすら待ちます。
ファンが回るタイミングで『サーモスタッド』が開閉し、エンジン内部を循環していたクーラントがラジエターに流れ混みます。
これでエンジン内部のエア抜きが出来るのです。
サーモスタッドが開閉(ファンが回った時)時にラジエターを見てみると一気にクーラントが減りますので再びクーラントを補充してあげましょう。
無事ファンが回ったら次のステップです。
エンジンを切る
ファンが回ったらクーラントを補充し、エンジンを1度止めて下さい。
エンジンを冷ますためです。温度が高くなったクーラントは膨張しているため、エンジンが冷めると同時にクーラントの温度も下がり膨張が収まるため、クーラントが減ります。減ったらまた補充します。
時間としては10〜15分程度エンジンを停止しておけばOKです。
エンジンを10〜15分ほど止めたら再びエンジンを掛けたら、また同じ要領でファンが回るのを待ちます。
2回目はもうすでにエンジンが温まっているので最初から暖房はMAXにして待っていれば大丈夫です。
先程より早いタイミングでファンも回るのでエア抜き完了まであと少しですね。
2回目のファンが回ればエア抜き作業は完了です。
ラジエターのキャップを閉めてサブタンク内にクーラントを補充しておきましょう。
エアーが残っていても大丈夫?
正直なところ、エアーが完全に抜けたかどうかは確認のしようがありません。
そのためここまでの作業が終わっていれば問題ありません。
仮にもエアーが少し残っていても走っているうちに抜けていきます。
走行を繰り返すうちにエアーが抜けて行く場合は、サブタンクに入れてあるクーラントがラジエターに吸い込まれていくため問題ありません。
そのため、エア抜きが完了したら1週間程度、サブタンクの容量を確認しておきましょう。
もし全く減らないようでしたら1.2にち程度で確認を辞めていいと思います。
少しずつ減っているようなら減らなくなるまで確認してあげて下さいね。
作業終了後はラジエター周りの洗浄をする
ジョウゴを用いて作業している方ならほとんどクーラントが漏れてしまう事は無いですが、もしクーラントが溢れたりし、周りに溢れてしまった場合は作業終了後にラジエター周りを水で洗い流しましょう。
※わざわざ高圧洗浄機を使ってやる必要はありません。こちらはイメージ画像です。笑
クーラントは独特な甘い匂いがし、漏れを確認する事が出来るのですが、クーラントが周りに付着したままだと、漏れていても発見が遅れるかもしれません。
そのため、漏れたクーラントは洗い流しておきましょう。
この時ラジエター周りの洗浄は、エンジンが冷めてから行いましょう。
この世の物質って温度差に弱いです。それは鉄であろうとゴムであろうと。そのため高温状態のところに水を掛けて洗い流そうものなら部品を温度差によって痛める原因に繋がります。
ファンが回らない時
エア抜きをしている最中ってファンが壊れてるんじゃないかな?ってぐらいファンがなかなか回ってくれません。
待ってる時ってなかなか動かないんです。
とはいうものの、壊れてたらただの無駄時間になりますし、オーバーヒートの原因にも繋がります。
ファンがちゃんと回るか確かめたい!!
という方は1度エアコンをONにして様子を伺ってみて下さい。エアコンを付けるとすぐにファンが回ります。
これが手っ取り早くファンが正常かどうかを調べる方法になります。
ファンの動きを確認出来たら素早くエアコンをOFFに切り替えましょう!折角暖めたクーラントが冷めてしまいますからね。
まとめ
やってみると意外と簡単じゃん〜!!
そんな風に感じる人がほとんどだと思います。
僕自身も何度か初めてのエア抜き作業に立ち会った事がありますが大体作業完了後は皆んなそんな感じです。
この記事では、より細かくエア抜き作業のやり方についてお話してきました。そんなことは知ってるよ!!と思われた方もいらっしゃるかな?
もし自分でやってみようかな?という方はチャレンジしてみて下さいね。
どうしても自分でやるのは不安だな…
と言う方は、無理せず車屋さんにお願いしましょう。グーピットを使えば簡単に近くの車屋さんを探せてそのまま電話での相談も可能です。
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