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【モンキー】バルブタイミング調整のやり方

ボアアップキットの組み込み時やオーバーホール時など、エンジンの腰上をバラした際には必ずバルブタイミングの調整が必要になってきます。

 

先日、モンキーのエンジンにボアアップキットの組み込みを行いました。

 

そこでこの記事では、モンキーエンジンのバルブタイミングの調整方法について解説していきます。

 

 

【モンキー】バルブタイミングの調整方法

 

バルブタイミングの調整時には以下の手順で作業します。

 

  1. カムチェーンのテンショナーを緩める
  2. フライホイールの位置を合わせる
  3. カムスプロケットの合いマークを合わせて組み込む
  4. カムチェーンを張る

 

カムチェーンのカムスプロケットを取り外した際には、必ず行う必要がある作業です。

 

カムチェーンのテンショナーを緩める

 

まず始めにやっておくべきことは、カムチェーンのテンショナーを緩めて(解放)おくことです。

 

エンジンの下側にある、ドレンボルトと同じサイズのボルトがカムチェーンのテンショナーボルトになります。少し斜め向きについているため、ドレンボルトとの区別はすぐにつくと思います。

 

12Vと6Vでテンショナーの構造が異なりますのでそこだけ注意です。

 

  • 12Vエンジン オートテンショナー
  • 6Vエンジン  マニュアルテンショナー

 

オートテンショナーは、14ミリのボルトを緩めると、バネが飛びててきます。これでカムチェーンに掛けられていたテンションは、解放されます。

 

かなり長いバネが縮められているので、一気にボルトを外すと飛び出るので注意。オイルも飛び散ります…。必ずゆっくり外してやりましょう。

 

 

それに加えて、マニュアルテンショナーの場合は、14ミリのボルトは【ただの蓋】。ボルトを緩めて、さらにその中にあるネジを緩めてようやくカムチェーンのテンションが解放されます。(確かマイナスドライバーで中のネジが回せたと思った。)

 

テンショナーはその名の通り、カムチェーンを張るための部品です。これを緩めて(解放)おかないと、カムスプロケットの取り付けが出来ません。

 

フライホイールの位置を合わせる

 

カムチェーンのテンショナーを解放してやったら、いよいよバルブタイミングの調整に入ります。

 

まずは、フライホイールを手で回してフライホイールにあるTマークとエンジン側の切掛けを合わせておきます。上の画像はすでに位置合わせが済んでいる状態です。

 

  • フライホイール Tマーク
  • エンジン側   切掛け

 

正確にはTの刻印横にある【縦線】とエンジン側の小さい切掛けを合わせてあげます。

 

 

フライホイールには【F】のマークもありますが、必ずTマークでバルブタイミングを調整します。

 

  • Tマーク ピストントップ位置
  • Fマーク 点火タイミング

 

つまり、バルブタイミングの調整は、ピストンの位置が頂点にある状態で行うと言う事です。

 

フライホイールのTマークがエンジンの切掛けに合うところに回しても、フライホイールから手を離すと少しフライホイールがズレちゃいますが、それは正常です。最後、手で押さえつつ確認すれば問題ありません。

 

カムスプロケットの合いマークを合わせる

 

フライホイールのTマークとエンジンの切掛けを合わせた状態で、カムスプロケットとカムシャフトの位置を合わせてバルブタイミングの調整を行います。

 

カムスプロケットの丸印とシリンダーヘッドにある切掛けが合うように、カムスプロケットを組み込んでいきます。

 

つまり、フライホイールのTマークと切掛けが合うタイミングで、カムチェーン側の合いマークが合うようにカムスプロケットを組み込むのがバルブタイミングの調整です。

 

 

もし丸印と切掛けが合わなかった時は、再度カムスプロケットを後方にズラし、チェーンから外してやりスプロケットを少し回して取り付け直し。これを何回かやればぴったり合う位置に組み込むことが可能です。

 

慣れてくると、一発で決まるようになります。(そんな慣れいらないか。)

 

ここを確認する際には、フライホイールを手で押さえTマークを確実に合った状態でやりましょう。

 

とりあえず、カムスプロケットをカムシャフト側のノックピンにはめ込んでおきさえすれば、カムシャフト側のネジ山は無視して取り付けても大丈夫です。

 

スプロケットの位置が決まってから、スプロケットに合わせてカムシャフトを回してやれば良いだけです。スプロケットの穴位置にカムシャフトを合わせてボルトを固定してやるイメージです。

 

 

カムチェーンを張る

無事にバルブタイミングの調整が終わったら、忘れずにカムチェーンを張っておきます。(テンションを掛ける。)

 

作業の一番始めに緩めたカムチェーンのテンショナーを元通りに締め直せばカムチェーンが張れます。これを忘れると、カムチェーンがたるんだままなので、カムチェーンが暴れて大変なことになります。

 

必ず、カムチェーンのテンショナーは締め込んでおきましょう。

 

テンショナーを張ったあとは最後にもう一度、カムスプロケットの丸印とシリンダーヘッドの切掛けが合っているかを再確認しておきましょう。(念の為。)

 

バルブタイミングを合わせないとどうなる?

 

もしバルブタイミングの調整をやらないとどうなる?

 

バルブタイミングの調整をやらずに、腰上を組み込んでしまうと…

  • エンジン不調
  • エンジンが掛からない
  • ピストンとバルブがぶつかる

 

この3つのどれかが起こります。

 

1番最悪の状態は、ピストンとバルブがぶつかってしまうことです。ピストンが頂点に来るときにバルブが閉じるように、バルブタイミングの調整を行なっています。

 

そのため、ピストンが頂点に来た際にバルブが開くようなタイミングになっていれば、干渉することも十分有り得る話です。

 

これはモンキーのエンジンに限らず、車のエンジンも同様です。タイミングチェーンやらタイミングベルトやら。

 

まとめ

 

モンキーエンジンのバルブタイミングの調整方法は以下の方法で行います。

 

  1. カムチェーンのテンショナーを緩める
  2. フライホイールの位置を合わせる
  3. カムスプロケットの合いマークを合わせて組み込む
  4. カムチェーンを張る

 

フライホイールのTマークとエンジンの切掛けが合ったタイミングで、カムチェーン側の合マークが揃えば、バルブタイミングの調整はバッチリです。

 

これをやらないと、エンジンが不調になったり壊れたりするので必ず正確に行いましょう。

 

それでは。

 

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