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【アヒル商会】独立アクスルのトー角調整方法

先日、友人の車にアヒル商会さんの独立アクスルキットを取り付けしました。

 

アヒル商会さんの独立アクスルキットでは、本来不可能であるトー角の調整が可能になっています。

 

そこでこの記事では、アヒル商会さんの独立アクスルキットのトー角調整方法について紹介していきます。

 

 

使用する工具

  • 油圧ジャッキ
  • 27ミリ ソケット
  • 27ミリ スパナレンチ
  • ラチェット
  • メガネレンチ

 

使用する工具はざっくりこんな感じ。おそらく、持っていない工具があるとすれば、27ミリのソケットとスパナレンチかと思います。

 

スパナレンチに関しては、300ミリのモンキーレンチでも代用できないことはない。けれど、トルクがかなり高めに設定されていますので、スパナレンチ(コンビレンチ)を絶対に購入してから作業に入ることを強くお勧めします。

 

※今回、アストロプロダクツさんに走りました。

 

 

 

【アヒル商会】独立アクスルのトー角調整方法

 

アヒル商会さんの独立アクスルキットのトー角調整方法は、以下の通りです。

 

  1. ピロボールの全長を変えて大まかな調整を済ませる
  2. ピロボールのロックナットを締め込む
  3. アクスルをジャッキで持ち上げ、走行車高を作る
  4. シムの位置を前後に入れ替え、微調整する

 

ピロボールの全長を変えて大まかな調整を済ませる

 

まず初めに、アクスル本体とブラケットを連結させている、ピロボール部分の全長を調整して、大まかなトー角調整を済ませます。

 

このピロボールは構造上当然ですが、ターンバックル式にはなっていませんので、ピロボールとブラケット部分の連結ボルトを抜いてやらないと、全長を変更することが不可能です。

 

  • ピロボールを伸ばす トーイン側に向く
  • ピロボールを短くする トーアウト側に向く

 

ピロボールの全長でトー角をそれなりに決めたら、シムを入れてピロボールとブラケット部分の連結ボルトを締め込みます。

 

※シムで微調整を始めている段階の写真なので、奥側はすでにシムの位置を前後させてありますが、スタート段階は片側に全てのシムを入れた状態から、微調整に入っています。

 

この時、シムは片側に全て入れた状態で微調整に入りますので、どっち側にシムを全部入れた状態で微調整に入るかは頭を使って下さい。(下手にどっちにと伝えると、逆にこんがらがるかと思いますので、そう言う表現はやめておきます。)

 

このピロボールの全長であらかたのトー角を決めてやる部分が結構大事です。これでほとんど狙っているトー角にするぐらいの調整が必須です。

 

ピロボールのロックナットを締め込む

 

シムを入れて、ピロボールとブラケット部分の固定を済ませたらピロボールのロックナットを、ラチェットとスパナレンチで完全にロックします。

 

ここをロックした状態でないと、またロックナットを締め込んだ際にトー角が動くので、その都度締め込みが必要です。

 

規定トルクは、100〜200N/m(調整範囲の間隔広すぎ問題。笑)おそらくですが、200N/mという限界値は、ピロボール部分のネジ径に対しての、数字かと思われます。多分。

 

※今回は、トルクレンチがホイールナットのトルクに合わせてあったので、110N/mで締め付けました。

 

アクスルをジャッキで持ち上げ、走行車高を作る

 

アクスルの位置(ハブの位置)によって、トー角は変化します。そのため、トー角の調整を行いトー角の確認を行う際にはその都度、アクスルの下部に油圧ジャッキをあてがい、走行車高(1G状態)になるまでアクスルを持ち上げます。

 

 

この作業は必須です。

 

本来の純正アクスルであれば、キャンバー角がピッタリ0である場合、車高変化によるトー角のズレはほとんど発生しませんが、独立アクスルの場合は、キャンバー角を0に設定してもマルチリンクやダブルウィッシュボーン式のように、ナチュラルキャンバーが付きますので、トー角が変わります。

 

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毎度毎度、車をウマから下ろしてやるなら別ですけど、効率が悪過ぎますのでお勧めしません…。

 

そのため言い忘れていましたが、バネが着いているとこの状態に出来ませんので、バネを外す必要があります。

 

シムの位置を前後に入れ替え、微調整する

 

ピロボールの全長で、ざっくりトー調整を済ませたら、次にシムを抜き差ししながら、シムを挟み込む位置をピロボール前後で入れ替えを行い、トー角の微調整を行います。

 

この時、ピロボールとブラケットを連結するボルトを緩めて、シムの位置を変えていきます。

 

シムの位置を変更することで、ピロボールの位置が車体前方側に移動したり、後方側に移動することによって、ピロボールを伸び縮みさせた時同様に、トー角が変化します。

 

  • ピロボールを車体前方に移動 トーアウト側に向く
  • ピロボールを車体後方に移動 トーイン側に向く

 

※理屈はやれば分かるので、大丈夫。

 

また、シムの位置を変更する場合は、ピロボールを前後に動かし、シムが入るスペースを作ってやる必要があります。今回、ロックナット部分は緩めなくても、ピロボールが前後に移動出来ましたので、ロックナットは緩めていません。

 

取り扱い説明書を見ると、ピロボールが前後出来ない場合は、再度ピロボールの調整を。と記載があります。

 

▪️アヒル商会さんの取扱説明書

 

つまるところ、初めのピロボールの全長である程度トー角を良い位置に調整してやらないと、シムだけの調整ではトー調整が出来きらないというわけです。

 

シムを1枚づつ(厚みは己の勘だけを頼りに)移動させては、アクスルを持ち上げて、再度調整。これを繰り返しながらなんとかトー角の調整を済ませました。

 

まとめ

 

今回、独立アクスルのキットを取り付ける段階から、トー角調整を行なっていますので、車の真下に仰向けで1時間以上の作業になりました…。写真にもある通り、何より枕が必要です。(枕じゃないけど…。)

 

独立アクスルのトー調整でも最も重要なポイントは、シムになるべく頼らず、ピロボールの全長でなるべく気が済むまでトー角の調整を根気強く行うことかと思います。(もちろん、シムも使うんだけれども。)

 

シムで調整する方が、簡単に微調整が行えますが、シムはあくまでも微調整の領域であって、それほど多くのトー角は動かせません。そのため、なるべくピロボール側の全長調整に時間を割いて作業するのがポイントです。

 

最終的には、アライメント調整に行ってちょーだいね。とオーナーさんには伝えてありますので、目視と走行時のフラ付きや直進安定性、己の勘だけでの調整でした。

 

普段、調整が出来ない加工アクスルしか使用していない僕からすると、この目視のトー調整が出来るだけでも十分過ぎるぐらい快適ですけどね…。せっかくなら、アライメント調整をしてもらった方が良いかな?と言うのが率直な感想です。

 

それでは。

 

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