注目キーワード

ブレーキ制動力の左右差が出る原因と調整方法

 

先日、ユーザー車検にて車検取得を試みたのですが、ブレーキ制動力の左右差が基準値を超えてしまい、車検に通りませんでした…。どうすれば良いのでしょうか?ブレーキはドラム式です。

 

先日、このような質問を頂きました。(切実に車屋さんに行ってくれ…)

 

そこでこの記事では、ブレーキ制動力の左右差が出る原因と、左右差を調整する方法について紹介していきます。

 

※ドラムブレーキの車向けの内容です。

 

 

ブレーキ制動力の左右差が出る原因

 

ブレーキ制動力の左右差は、ドラムブレーキの構造に起こりがちです。

 

ブレーキ性動力に左右が生まれる原因は、ドラムブレーキの内部構造を見てみると良く分かりますが、溝と溝の噛み合わせによって、ドラムシューの初期状態(広がり具合)を決めており、その決めた位置からブレーキペダルの踏み込みによって、ブレーキシューが広がり始める。

 

そのため、左右のブレーキシューの初期位置が異なると、同じだけの力でブレーキペダルを踏み込んでも、左右の制動力に差が生まれます。

 

※ブレーキシューの外側から、ドラムカバーの内側までの距離に違いがある。という表現の方が分かりやすいかもしれません。

 

  • シューの開きが大きい 制動力が上がる
  • シューの開きが小さい 制動力が下がる

 

コレはブレーキシューを交換する際に、左右の調整が上手く出来ていない。もしくは、左右のブレーキシューの減り具合に偏りがあることからこのような状態に陥ります。

 

どちらかと言えば、前者が原因になっていることが多いかと思います。(整備士では無いため、その辺の具体的な発生状態は知らん。)

 

ブレーキ制動力の左右差を調整する方法

 

ブレーキ制動力に左右差が発生している場合の調整方法は、制動力が弱い側のドラムブレーキを分解して、画像矢印部分の溝の噛み合い位置を変更してやります。

 

この画像のようなタイプだと、マイナスドライバーを使って押し下げた状態を作り、ドラムブレーキシューを外に広げてやり、溝が掛かっている場所を1ノッチづつズラしていく形で調整します。

 

以前、触った日産車のドラムブレーキは、溝があるローラーのような部品を回転させることで、ブレーキシューのクリアランス調整が可能でした。

 

専用工具もあります。使ったことは無いけれど…。

 

 

※ここのクリアランス調整に関しては、車種やメーカー、年式によって色々形状や種類が異なり、調整方法が異なる場合があるので、各々調整方法は正確な調整方法は調べてみて下さい。カバーを取り付け、ブレーキを踏んだりはたまたサイドブレーキを掛けてやるとある程度自動でシューが広がる車も多いです。

 

 

外に開けば開くほど、制動力が上がっていきます。

 

※ブレーキシューを開き過ぎると、ブレーキシューが常に引きずり状態になりますので、そこも注意。

 

左右差をどうやって合わせたらいいかという問題ですが、あくまでもコレは自己流に過ぎませんが…

 

  1. サイドブレーキを1ノッチずつ引く
  2. トルクレンチでホイールナットを締める
  3. ホイールがギリギリ空転しないところを探す

 

※この時、車をジャッキアップし、リジットラックに乗せ、リアタイヤを浮かせた状態で作業します。

 

サイドブレーキを1ノッチ(カチッと音が1回出たら1ノッチ。)ずつ引いていき、トルクレンチを掛けた際にホイールが回らないギリギリのラインを探します。この時、左右のホイールが空転することなく、規定トルクまで掛けられたらOK。

 

これまで訳あって車検のたびにドラムブレーキを完全分解し、組み付け時にこの方法で調整を行ってきましたが、ユーザー車検にてブレーキ制動力の左右差で不合格になったことはありません。

 

調整時のコツは、制動力が強い側を基準に、トルクを掛けた際にホイールが空転するしないのギリギリのラインでサイドブレーキを掛けること。笑

 

つまるところ、調整前は片側はタイヤが空転せずに規定トルクを掛けられるんだけれども、もう反対側はトルクが掛かる前にタイヤが空転してしまう状態になります。

 

これ以上は文章だと説明が難しいので、これで理解して下さい。

 

ブレーキシューの外側からドラムカバーの内側までの距離を計測したり、カバーをはめ込み、タイヤを回した際に左右のブレーキシューの擦る音(擦る音が出たり出なかったりする程度)が均一になるように。等々人それぞれの調整方法があります。

 

イマイチ理解出来ない方は、自分で調整するのはやめておいた方が良いかと思います。陸運局近くに必ずある【予備検査場(予備検、テスター屋)】でもブレーキ制動力の調整をしてくれるかと思います。

 

まとめ

 

ブレーキ制動力の左右差は、ドラムブレーキシューを交換したり、分解清掃した際など、戻し作業の中で左右の調整が上手く出来ていないケースがほとんどです。

 

中には、左右のブレーキシューが均等に減っていない可能性もなきにしもあらず。例外ケースを除いては、どちかが原因かと思います。

 

調整方法は、記事内で説明した通りです。これまで何度もドラムブレーキの調整は行っておりますが、車検時に規定数値を割ったことは無いので問題ないかと思います。

 

基本的には、ドラムカバーを取り付けた状態で左右のタイヤを回してみて、シュー(ライニング)が微妙に擦るタイミングがあったり擦らないタイミングがあったりするぐらい(シャー…..シャー……..シャー….。みたいな。笑)のクリアランスに調整しておくのが個人的には最も理想かな?と思います。

 

イマイチ調整に自信が無い方は、無理でず車屋さんやテスター屋さんに駆け込むことをおすすめします。こんなことDIY作業で出来ても何の自慢にもなりません。

 

それでは。

 

■関連記事はこちら

関連記事

 車検の費用を見積もりしたら、思いのほか金額が高かったからユーザー車検で通そうと思うんだけど、どのぐらい安くなる?ちょこちょこユーザー車検行ってるよね! 先日、友人よりこのような質問を頂きました。 ユ[…]

関連記事

 人生で初めてのユーザー車検に行こうと思って、予約まで済ませてあるんだけど陸運局に着いたらまず何をすれば良い?ユーザー車検の流れが知りたい...。 こんな悩みを持たれる方も珍しくありません。 […]

関連記事

先日、会社の人からこんなことを聞かれました。 ユーザー車検に行こうと思ってるんだけど、ユーザー車検って難しいの? そこで話この記事では、初めてユーザー車検を検討している方向けに、ユーザー車検は[…]

関連記事

 ロアアームのブッシュやゴムブーツの劣化って車検に通るの? 車検が近付くにつれて、このような疑問を抱き始める人は少なくありません。 実際に友人から、【これ車検に通るかな?】こんなLINEが飛[…]

最新情報をチェックしよう!