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【モンキー】ボアアップキット組み付け時にありがちな失敗

 

これからモンキーのエンジンをボアアップする予定なのですが、ボアアップキットを組み付ける際に注意するべき点があれば教えて下さい。

 

先日、このようなお問合せを頂きました。

 

そこでこの記事では、モンキーにボアアップキットを組み付ける際にありがちな失敗について、簡単にまとめておきます。

 

 

【モンキー】ボアアップキット組み付け時にありがちな失敗

 

モンキーにボアアップキットを組み付ける際にありがちな失敗は以下の通りです。

 

  • ピストンの向きを間違える
  • ピストンリングの切掛けをズラさない
  • シリンダーとクランクケースの間のOリングが滑落
  • カムチェーンの張り忘れ
  • バルブタイミングの調整がうまく出来ていない
  • カムスプロケットの締め付け不良
  • 各部にオイルを塗布せずに組み付け

 

ボアアップキットを組み付ける際に起こりうる失敗を全て洗い出せているわけではありませんが、起こりうる可能性が高い箇所で言えばこんなところかと思います。

 

ピストンの組み付け向きを間違えると、吸気ポート側と排気ポート側のバルブサイズが異なるため、ピストン側の逃し加工のサイズも変わってくることからピストンとバルブの干渉問題。そして、プラグの逃げがなくなるため、プラグの逃げも反対側に行ってしまうので非常にまずい。(やったことがないから当たるかは不明…。)

 

 

正直、途中で気が付くかと思いますので、問題ないかと思いますが、クランクケースとシリンダーの間に挟むOリングの滑落は非常にあるあるですので、注意です。落ちたことに気が付かずエンジン始動まで行ってしまうと、オイルじゃじゃ漏れ〜。

 

 

個人的な失敗談ではありませんが、過去に知人がボアアップキットを組み付ける際に、カムスプロケットの締め付けトルクが甘く、エンジン始動直後にボルトが緩んでしまったことがありましたので、そこも注意です。ボルトが緩むと、ボルトが暴れてシリンダーヘッド内が傷だらけに。(傷が付くだけで済めば、まだ良いですけどね…。)

 

ピストンリングの切掛けをズラさずに組み付けてしまうと、その隙間からエンジンオイルが燃焼室に上がっていくトラブルが発生する可能性があります。

 

エンジンが壊れるような失敗ではないかもしれませんが、ありがちな組み付けミスだったりもします。

 

 

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組み付けミスによって異音が出る事例

 

ボアアップキットを組み付けて、エンジンを始動させてみたら、エンジンから異音がする…。

 

初めてボアアップキットの組み付けに挑戦した方の中には、このような状態が訪れるケースも珍しくありません。このようなケースでは以下の箇所を確認してみて下さい。

 

  • カムスプロケットボルトの緩み
  • カムチェーンの張り具合
  • バルブタイミングの調整

 

ボアアップキットを組み込み、1発目のエンジン始動で明らかな異音が発生している場合は、上記3点をまずは確認してみて下さい。しっかりと、エンジンに適合したキットを組み付けており、異音が発生するようなケースであれば、このどこかに異音の原因がある可能性が高いです。

 

※もちろん、この3点が全てではありませんけども…。

 

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カムスプロケットを固定するボルトの締め付けトルクが不足しており、ボルトが緩むことで異音が発生するようなケースも珍しくありません。それに気が付かず、エンジン始動を続けるとボルトが暴れて部品が破損したり、カムスプロケットが外れてしまえば、バルブとピストンがクラッシュする可能性も無きにしも非ず。

 

そんなこんなで、1発目のエンジン始動で異音が出た場合は、すぐにエンジンを切ることをお勧めします。

 

他にも、エンジンを組み付ける際に、各パーツにエンジンオイルを塗布せず組み付けたことによる、初期段階でのかじりが発生してしまうケースもあるかと思います。必ず、各パーツにはオイルを塗布して組み付けるように。

 

特に、カムシャフト付近は、初期段階のかじりが発生しやす箇所になるので、注意した方が良いかと思います。(カムの山とロッカーアームの接点なんかは特に。)

 

まとめ

 

モンキーのエンジンをボアアップする際にありがちな失敗は以下の通りです。

 

  • ピストンの向きを間違える
  • ピストンリングの切掛けをズラさない
  • シリンダーとクランクケースの間のOリングが滑落
  • カムチェーンの張り忘れ
  • バルブタイミングの調整がうまく出来ていない
  • カムスプロケットの締め付け不良
  • 各部にオイルを塗布せずに組み付け

 

作業内容を理解して、1工程ずつ慎重にやれば、それほど重大な失敗に陥ることはないかと思います。不安であれば、キタコさんから発売されている虎の巻を購入して、作業内容を頭に入れつつ、読みながらボアアップキットの組み付けをすることを強くお勧めします。

 

ボアアップキットの組み付けにおいて、これとない教科書かと思います。学生時代に使っていた教科書よりも、遥かに参考になりますよ。

 

 

また、ボアアップキットを組み付け、1発目のエンジン始動で異音が発生する場合は、すぐにエンジンを止めて以下の箇所に組み付け不良がないか?確認してみて下さい。

 

  • カムスプロケットボルトの緩み
  • カムチェーンの張り具合
  • バルブタイミングの調整

 

それでは。

 

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