モンキーのエンジンが焼き付いてしまいました…。そこで質問なのですが、エンジンが焼き付いてしまった場合、ボアアップキットを購入し、ボアアップしてやればエンジンの腰上が新品になるので、それだけで修理可能でしょうか?
先日、このような質問を頂きました。
そこでこの記事では、モンキーのエンジンが焼き付いてしまった場合、ボアアップキットの組み込みによって修理が可能なのか?というテーマでお話ししていきます。
エンジンが焼き付いたらボアアップキットで修理可能?
モンキーのエンジンが焼き付いてしまったから、ボアアップしてやれば腰上が新品になるから、焼き付きが直せるよね?
こんな考えになる方も珍しくありません。
焼き付いてしまったエンジンに、ボアアップキットを組み込むだけで焼き付きの修理が出来る場合もあれば、腰上だけ部品を変えてもダメなケースもあります。焼き付いてしまったと言う事実だけでは、一概にボアアップキットにて修理できるかどうかの回答は出来ません。
※ダメになった腰上パーツを、ボアアップキットで代用すると言う点から見ると、ボアアップキットでの修理が可能。と言う回答にもなりますが。
- どんな原因でエンジンが焼き付いたのか?
- クランクシャフトに問題はないか?
エンジンが焼き付いてしまった原因が明確になっていて、クランクシャフトに影響(ガタ)がない状態であれば、ボアアップキットを組み付けることで、焼き付きの修理をする事が可能な場合もあります。
焼き付いた原因によっては、ボアアップキットを組み込み、腰上部品を新品にしただけでは、再度エンジンが焼き付いてしまう場合もあります。
エンジンの焼き付きを修理するには?
先ほどもお伝えした通り、エンジンが焼き付いてしまった場合は、焼き付きが発生してしまった原因を探り、腰上をバラしつつ、クランクシャフトのガタを確認してやる必要があります。
※原因が分からないまま、ただただボアアップキットを組み込むのはリスキー過ぎるので絶対にやめておくことをお勧めします。
エンジンが焼き付いてしまうと(抱きつきも同様)ピストンやシリンダーはもちろん、ピストンを上下運動させているクランクシャフトにも大きな負担が掛かります。
クランクシャフトに大きな負担が掛かってしまうと、クランクシャフトにガタが発生する可能性が出てきます。ガタが出てしまっているクランクシャフトのまま、ボアアップキットを組み込んでも、すぐにまたエンジンがトラブルを引き起こすので、クランクシャフトの点検は必要不可欠です。
仮にクランクシャフト側に異常が見られる場合は、クランクシャフトの交換が必要になるため、腰下も分解しクランクシャフトの交換が必要になります。
ちなみにですが、先日自分のモンキーのベースエンジンに購入したホンダ純正エンジンは、ピストンとシリンダーが傷だけの状態でした。いわゆる焼き付いてしまった(抱きつき)エンジンですね。
▪️交換した部品
- 一度エンジンを全バラ
- クランクシャフトを交換
- ボアアップキットの組み込み
- 消耗品部品の交換
- オイルポンプの強化
- クラッチの強化
これらの作業内容で、焼き付いたエンジンを使用しています。不具合等なく調子が良いエンジンになっています。
※説明欄には、始動確認済みって書いてあったけどな。
▪️交換しておくべき消耗品リスト
まとめ
モンキーのエンジンが焼き付いてしまった場合、ボアアップキットを組み込みボアアップしてやることで、ダメになった腰上部品が入れ替わるため、焼き付き修理につながるケースもあります。
ただ、全ての焼き付きをそのような方法で、修理出来るわけではなく、クランクシャフトにガタが発生してしまっているうようなケースでは、クランクシャフトの交換が必要になるため、一度エンジンを全てバラしてやる必要があります。
焼き付きの原因が明確になっていて、腰下には手を入れなくても大丈夫。と言う状況はさておき、原因が分からないような場合は、ボアアップキットを組み込んで修理を済ませしまうと、一時的には解決したような形になっても、再び悪夢再来の可能性も十分考えられますので、原因が分からないことには、そのままボアアップキットの組み付けはやめておいた方が良いかと思いますよ。
※ダメになってしまった、腰上パーツの代替え品としてボアアップキットの使用は十分可能ですが、ボアアップキットの組み付けだけで焼き付きの修理ができるかどうかは、そのエンジンの状態次第ということです。
それでは。
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