車高調を取り付けたけど乗り心地が悪い…やっぱり外したい。もう少し、乗り心地が良くなればな…。
また、購入した中古車に車高調が入っていて乗り心地が悪いから外したい…そのような方が僕の周りには多い…
『車高調』=『乗り心地が悪い』
このようなイメージがどうやら強いみたい…しかし、適切に取り付けられていればそこまで気になるほど車高調を取り付けた事で乗り心地がそこまで悪化するケースは稀です。
僕自身これだけは皆様にお伝えしたいのは『車高調はちょっとしたことで乗り心地が良くも悪くもなる』という事です。
そこで車高調の乗り心地を良くする為の5つのポイントについてお話します。
こんな方に向けた記事を書いていきます
- 車高調の乗り心地を不快に思っている方
- これから車高調を取り付けようとしている方
- 乗り心地を改善したいと思っている方
車高調の乗り心地が悪くなる原因
- 減衰調整が合っていない
- ストローク量が足りない(底付き)
- 車高調が抜けている
- 取り付け方の問題
- ロアアームの万歳解消
大きな原因はこの4つになります。3つ目のショックアブソーバーが抜けている場合に関しては残念ながら車高調を交換するしかありません。
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ショックアブソーバーが抜けている場合はダンパーの役割をしないためどうすることも出来ません…
しかし、それ以外に原因がある場合は乗り心地改善の余地がありますのでこのままこの記事を読み進めて貰えたらと思います。
車高調の乗り心地を良くする5つのポイント
車高調の乗り心地が悪いと言う悩みを抱える方に知ってもらいた、5つのポイントを解説していきます。
- 減衰力調整の見直し
- バネレートの見直し
- ストローク量の確認
- プリロードの確認
- ロアアームの万歳解消
以外にも落とし穴となっているポイントもありますので、1つ1つ確認していきましょう。
順番に解説していきます。
減衰力調整の見直し
よくありがちなのがこの減衰調整による、乗り心地悪化です。
訳も分からずとりあえず減衰調整はMAXに!なんて方もいらっしゃいます。
中にはストロークを抑えるため!なんて声も耳にしますが、そもそも減衰調整ではストローク制御は出来ません。
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バネは、縮むと再び元の長さに戻る力が働きます。
これを制御するのがショックアブソーバーの役割で、減衰調整はこのショックアブソーバーの戻るスピードを調整してくれます。
つまり、バネレートに合わせた減衰調整をしてあげないとバネの動きとショックアブソーバーの動きが合わず足回りの挙動はおかしくなってしまいます。
これが乗り心地が悪化する原因です。
減衰力調整については、こちらの記事を参考にしてみて下さい。
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これだけで乗り心地は改善されます。
バネレートの見直し
バネレートをやたらめったら高いものに交換してしまうと、乗り心地の悪化はつながってしまいます。しかし、これだけは勘違いしてはいけません。
- バネレートが高いから乗り心地が悪い
- バネレートが低いから乗り心地が良い
決してそういう訳ではないという事は頭に入れておきましょう。
乗り心地はバネレートよりもショックアブソーバーの減衰力との相性によって決まります。
市販化されている車高調なんかだとバネレートは(3〜6キロ)程度のものが主流です。(サスペンション構造にもよる。)
車高調のメーカー側もバネレートに合わせたショックアブソーバーを考えて作っているため、このバネレートに合わせた減衰力のショックアブソーバーを使っています。
そのため、元々のバネレートから大幅にレートアップしてしまった場合、ショックアブソーバーのキャパが追いつかず、ハイレートなバネの伸びる力を抑える事が出来ず、乗り心地が悪くなります。
バネレートを上げる際は、車高調吊るしのバネレートを考慮した上で選定してあげましょう。
※吊るしとはメーカーが決めているバネレート。出荷状態のレートですね。
どうしてもハイレートを使って乗り心地を維持したいのであればハイレートに対応する減衰力を持ち合わせたショックを組み合わせる事で乗り心地を損なわず、ハイレートバネを使いこなす事が可能です。
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余談になりますが、ハイレートバネに対応する減衰力が高いショックアブソーバーに低レートバネを組み合わせた場合も同じような理由から乗り心地は悪化します。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
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ストローク量の確認
車高を下げていくとどうしても起こりうるのが『ストローク量』の低下です。
これは車高の下げ方だけではなく、車の構造上どうしてもストロークが確保出来なくなってしまうケースもあります。
- バネを遊ばせている
- 軽自動車のリア
この2つが特にストローク量が充分に確保出来ず、乗り心地が悪化してしまう代表パターンです。
バネを遊ばせてしまうと、本来なら確保出来ているはずのストローク量が無くなってしまいます。
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そうすると、ショックアブソーバーが底付きしてしまい段差の衝撃を吸収しきれなくなってしまいます。
ショックのストローク量10センチのショックアブソーバーがあったとします。
このショックアブソーバーに車の荷重を掛けると5センチ沈みます。バネが遊んでいなければ5センチのストロークが確保出来ていますよね?
この状態から3センチバネを遊ばせて車高を下げた場合はどうなるでしょうか?
(5センチ)−(3センチ)=(2センチ)
このような計算になり、ストローク量は経ったの2センチになってしまいます。
これでは車が段差を乗り越えてショックアブソーバーが縮んでしまったら底付きしてしまいますよね?これでは乗り心地が悪化するのは当然です。
その他にも、軽自動車の構造上リア側のストローク量が充分に確保出来ません…。
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これは軽自動車に限った事ではなく、リアが『トーションビーム(アクスル)』式サスペンションを採用している国産コンパクトにも起こりうる問題です。
写真のようにバネが車体とアクスルに挟まれる形で配置されているため、元々のストローク量が少ない事が原因で乗り心地が悪化してしまいます。
この場合はバンプラバーをカットし、ストローク量を確保するか車高を上げるしかありません…それでも車高は下げたい!というのであれば『アクスル加工』をお勧めします
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プリロードの確認
プリロードとは、バネに車重が掛かる前から、スプリングを縮めておくことです。
これは車高調ならではの仕組みです。
車高調の場合、スプリングはアッパーシートとロアシート(スプリングシート)に挟まれて固定されています。
組み込み時に、ロアシートの位置を上げ過ぎてしまうと、スプリングは車重を受ける前から縮んでしまいます。そうするとバネの反発が強くなり乗り心地が悪化してしまいます。
見ず知らずのうちに謝ってプリロードを掛けてしまっているケースもありますので、ここは必ず確認しておきましょう。
車をジャッキアップした状態で、バネがスルスル回るぐらいが丁度いいです。
詳しくはコチラの記事で解説しています。
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ロアアームの万歳解消
これは、車高の下げ幅によっても大きく異なるので優先順位は低めですが…ロアアームの万歳解消は乗り心地を良くする上で効果的です。
車高を下げるとどうしても、ロアアームの角度が斜めになってしまいます。
ロアアームの角度が斜め(万歳)になってしまうと、車のストロークを妨げてしまうことで、乗り心地が悪化してしまいます。
これを解消してやる事で、車のサスペンションの動きが良くなり、乗り心地が良くなります。
ロアアームの万歳解消方法は、2つあります。
- ロアアームの上げ加工
- ロールセンターアダプター
ロアアームの上げ加工は、その名の通りロアアームを加工し、形状を変える事で万歳現象を改善します。
ロアアームの上げ加工についてはコチラの記事で詳しく解説しています。
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もう1つはロールセンターアダプターの取り付けです。
コチラもロアアームの上げ加工と全く同じ効果があります。
ロールセンターアダプターは、後付けのパーツなので比較的簡単に取り付けが可能です。
詳しくはコチラの記事で解説しています。
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まとめ
車高調の乗り心地が悪い!と感じたら…
- 減衰調整の確認
- バネレートの見直し
- ストローク量の確保
- プリロードの確認
この3つのポイントを抑えて、乗り心地の改善を目指しましょう。
それに加えて、ロアアームやスタビリンクなど角度の補正をすることで微微たるものかもしれませんが、乗り心地の改善が見込めます。この積み重ねの結果で乗り心地が大きく変わってくるので頭に入れておくといいと思います。
それでは。
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