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ダブルウィッシュボーンはアッパーアームだけでキャンバーが付ききらない理由

先日、コチラの記事でダブルウィッシュボーン式は、マルチリンク式に比べてキャンバーが付きにくい。そんな話をちょろっとしました。

 

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この記事の補足も兼ねて、ダブルウィッシュボーン式がアッパーアームの交換だけでキャンバーが付き切らない理由についてお話していきます。

 

どちらかと言えば、鬼キャンと呼ばれるようなスタイルを好む、(目指している)ユーザー向けの記事になるかと思います。

 

 

ダブルウィッシュボーンはアッパーアームだけでキャンバーが付ききらない理由

 

ダブルウィッシュボーン式のサスペンション構造の車が、アッパーアームの交換だけではキャンバーが付き切らない理由は以下の2つにあります。

 

  • 車高調とのクリアランス
  • アッパーアームとロアアームの位置関係

 

順番にお伝えしていきます。

 

車高調とのクリアランス

 

最大の原因はここにあります。

 

マルチリンクとは異なり、アッパーアームの中をショックアブソーバーが通っており、アッパーアームを短縮すると、どうしても車高調との干渉を避ける事が出来ません。

 

つまるところ、思いのほか【アッパーアームを縮められない】と言う問題です。

 

どんなに、アッパーアームの調整キャパが多くても、車体側の問題で短縮量が限られてしまうので、キャンバーが付ききりません。

 

また、車高調だけのクリアランスではなく、ナックルと車高調のクリアランスにも目をやる必要があります。

 

ここに関しては、車種ごとに違いがあるかもしれませんが、ナックルと車高調が先に干渉しだすケースも多いです。

 

※ここのクリアランスに関しては、ストロークによって変化するので、責めるのであれば確認しておく必要があります。

 

アッパーアームとロアアームの位置関係

 

ダブルウィッシュボーン式には、縦に長いナックル(縦ナックル)が使用される事が多く、これもまたアッパーアームだけではキャンバーが付きにくい原因です。

 

※KPガレージさんが縦ナックルって言ってるのをyoutubeで聞いてそんな呼び名があることを知った。

 

これは、単純にアッパーアームとロアアームの距離が離れるからです。

 

当然ですが、アッパーアームとロアアームは、ナックルの上下に取り付けられているため、ナックルの長さが長くなればなるほど、アッパーアームとロアアームの距離は離れていきます。

 

アッパーアームとロアアームの距離が離れると、アッパーアームを同じ長さ短縮した際、得られるキャンバー角に違いが現れます。

 

※距離が短い方が、短い短縮量で多くのキャンバーが付くよ。

 

これを言葉のみで的確に伝えるのは難しいので、下手くそなイラストの出番です。※絵が下手だと色々損するよね…

 

  • 左 ダブルウィッシュボーン
  • 右 マルチリンク

 

かなりざっくりとした絵ですが、伝えたいメッセージは十分に盛り込んだつもりです。

 

アッパーアームとロアアームの長さはもちろん、アッパーアームの短縮量もまったく同じと仮定して下さい。

 

アッパーアームとロアアームの距離が長いと、キャンバー角はかなり緩やかな変化になっている事が明確に伝わると思います。※伝われ。

 

※ちなみに斜線部分の角度がキャンバー角になるイメージです。

 

アッパーアームとロアアームの距離関係の違いが分かりやすい実車の写真を貼っておきます。

 

■ダブルウィッシュボーン式

 

■マルチリンク

 

他の打ち手もあるので大丈夫

 

アッパーアームだけでは、キャンバーが付き切らないだけの話であって、キャンバーがつかない訳では無いです。※当たり前だけども。

 

  • ナックル加工
  • ロアアーム延長
  • キャンバーアダプター

 

過激なキャンバー角を目指すのであれば、アッパーアーム以外の打ち手を事前に用意しておくことをおすすめします。

 

 

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もっと言うと、アッパーアームにあまり期待を寄せ過ぎない方がイイです。少しキャンバーを付けるぐらいなら十分付くとも言えますが、過激な角度には程遠い。

 

ダブルウィッシュボーン式を採用している車の多くは、アッパーアームだけで10度に迫るような角度は付きません。

 

それでもアッパーアームだけで寝かしたいなら…

 

それを知った上でも、アッパーアームだけで何とか…

 

そんなユーザーがもしかしたら、いらっしゃるかもしれません。

 

もし強くそれを望むのであれば、【調整式ピロアッパーマウント】を使う方法もあります。

 

 

ストラット車の人がよくキャンバーを付けるのの使っている、車高調をズラすパーツです。

 

 

勘違いしてはいけなくて、ダブルウィッシュボーン式に調整式のピロアッパーマウントを使う理由は、車高調の位置をズラすためです。※キャンバーは変化しない。

 

車高調をズラして、アッパーアームの調整キャパを限界突破するのが目的です。

 

詳しくはこちらの記事でお話しています。

 

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まとめ

 

複数のアームによって形成されるダブルウィッシュボーンって、簡単にキャンバーが付きそうですが思いのほか、手数を打たなれば過激なキャンバーは付かない事が多いです。

 

この理由は、先ほどもお伝えしましたが…

 

  • 車高調とのクリアランス
  • アッパーアームとロアアームの位置関係

 

車高調やナックルとのクリアランス問題に関しては、やれば一目瞭然なので理解している人も多いですが、アームの位置関係に関しては理解していない人も多いです。

 

※少なからず、僕の周りを見渡す感じ。

 

ここを理解していて何の得があるかは分かりませんが、せっかく触っているなら抑えておきたいポイントです。

 

それでは。

 

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