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【モンキー】ロングクランクシャフトで排気量をアップさせる方法

 

モンキーのエンジンを88ccからさらに排気量のアップを検討していて、ロングクランクシャフトの導入を検討しているんですが、何を買えば良いですか?

 

先日、このような質問を頂きました。

 

そこでこの記事では、モンキーのエンジンをロングクランクシャフトによって排気量をさらにアップさせる方法についてアレコレお話ししていきます。

 

 

ロングストロークにすると排気量が上がる理由

 

そもそもクランクシャフトのストローク量を増やすと排気量が上がる理由が分からないんだけど…。

 

こんな疑問を持たれている方を見かけることがあります。

 

これは、エンジンの排気量は、シリンダーのボア径とクランクシャフトのストローク量によって、決まってくる。というのが手っ取り早い答えです。

 

各社外メーカーが販売しているロングクランクシャフトは、純正クランクシャフトと圧縮上死点の位置はそのまま、下死点の位置が下がります。つまるところ、ピストンが最もシリンダーヘッドから離れた時、純正のクランクシャフトよりも低い位置までピストンが下がるということになります。

 

▪️排気量の計算方法

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これが、ロングクランクシャフトを導入することで、排気量が上がる理由です。

 

余談ですが、これは何もモンキーだけに限った話ではありません。車であろうと同様の方法で排気量が上がります。例を1つ挙げると、国内販売用に作られているミラジーノと海外輸出用に作られているミラジーノ1000の腰上(シリンダーヘッド、シリンダーmピストン)は、660cc用のエンジンのまま、クランクシャフトのストローク量を増やして排気量を660ccから1000ccに上げてあります。

 

つまるとろこ、国内向けに販売されているL700に海外輸出用の1000ccエンジン用のクランクシャフトを流用すると、L700をボアアップすることが可能です。

 

ロングクランクシャフトで排気量をアップさせる方法

 

ロングクランクシャフトを導入して排気量をアップさせる際には、以下の部品は現状のボアアップキットをそのまま使用します。

 

  • シリンダーヘッド
  • シリンダー
  • ピストン

 

※各メーカーから88ccキットと110cc(108ccや106cc)のキットが販売されていますが、腰上のこの3点に関しては、共通の部品になっています。

 

これに加えて、ロングクランクシャフトを組み付けてやるだけで、排気量がアップします。

 

ただし、注意点が1つだけあって、ロングクランクシャフトだけを用意していれば良いだけのケースもありますが、メーカーによってはオイルポンプスピンドルを変更する必要がある場合があります。

 

多くのメーカーでは、オイルスピンドルの同時交換が必須です。

 

クランクシャフトが純正よりも、ゴツくなる関係でオイルポンプスピンドルとクランクシャフトが干渉してしまう場合があります。そのため、オイルポンプスピンドルを逃しがあるこのような商品と交換しなくてはいけないケースが多いです。

 

1号機にシフトアップさんの52ミリストロークのロングクランクシャフトを導入した際にも、このような逃げ加工されている(くびれている)スピンドルに組み替えております。

 

 

 

この辺は、使用する予定のメーカーさんの商品説明欄をよく読み、純正スピンドルのままでいいのか、逃げ加工がされているタイプに交換が必要か確認を取っておくことをお勧めします。

 

ボアアップキットと異なるメーカーのロングクランクシャフトでも良い?

 

現在、武川の88ccのボアアップキッチを使っているんだけど、クランクシャフトはキタコのを使おうと思っているんだけど、メーカーは合わせないとダメかな?

 

これに関しては、一概には言えませんが圧縮上死点の位置は変わらないので、ボアアップキットとクランクシャフトのメーカーを揃えなくても問題なく使用できるケースが多いです。

 

※ただ、絶対は言い切りませんので、そのようなことをされる場合は、仮組みをしてピストンとバルブが干渉しないことを確認した上で組み付けることをお勧めします。

 

価格が安く、そこそこ評判が良い、モダンワークス製のロングクランクシャフトは武川やデイトナ、キタコ等の88ccキットに組み合わせている方がいらっしゃるので、多くのメーカーと組み合わせが出来そうですね。

 

 

他にもシフトアップの88ccキットにデイトナのロングクランクシャフトを組み合わせていた方が知り合いにいらっしゃいました。

 

基本的には、別メーカー同士のボアアップキットとクランクシャフトを組み合わせても、問題なく使用出来るケースがほとんどです。ただ、責任は取りませんので、自己責任でお願いします。

 

まとめ

 

ロングクランクシャフトを導入して、排気量をさらにアップさせる際には、ロングクランクシャフトに加えて、大きくなったクランクシャフトと干渉してしまう、オイルスピンドルを逃し加工がされている形状の商品にセットで交換する必要があるケースが多いです。

 

腰上(ボアアップキット)に関しては、そのまま使用しますので、クランクシャフトとオイルスピンドルのみ購入してくれば、あとはエンジンをバラして組み付けるだけで排気量を上げてやることが可能です。

 

 

 

記事中はお伝えしませんでしたが、ロングクランクシャフトを組み付けると、88ccとは比べものにならないぐらいキックが重くなりますので、デコンプ機能付きのカムシャフトの導入を検討しておくことをお勧めします。

 

こればっかりは、感覚の問題なので文章だけでお伝えするのは無理がありますが、1発目のキックはエンジンを組み間違えてキックが降りないのかと錯覚したぐらいでした。

 

正直、デコンプ無しのロングストロークはエンジンを掛けるのが嫌になる。(キックスピンドルを追った経験があると尚更かと思います…。笑)

 

 

それでは。

 

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