モンキーのフロント周りを分解したのですが、組み付ける際ステムナットをどのぐらいで締め付けたら良いのか分からず困っています…。緩んだら怖いので、強めに締めたのですが、ハンドルの動きが渋くなってしまいます…。
先日、このような相談を受けました。
そこでこの記事ではステムナットの締め付けについてお話ししていきます。
【モンキー】ステムナットの締め付け
モンキーに限った話ではありませんが、フロントフォークのステムナットは締め付けが結構重要です。この締め付けによって、ハンドル操作に大きな影響が出ます。
作業手順は以下の通りです。
- ベアリングにグリスを塗る
- ステムナットを手で締められるだけ締める
- ハンドルを左右に4.5回切る
- ステムナットを少しだけ緩めて締め直す
一度ステムナットを手で締められるだけ締めてから、ハンドルを左右に切ってまた緩める理由は、ステムベアリングを馴染ませるためです。モンキーでは無いのですが、過去に見たバイクの整備手順書にそのような記載があるのを見てから、毎度この手順で締め付けています。
※車種が異なっても、基本的な構造は同じなので大概どのバイクもそうだと思います。
肝心の締め付けトルクですが、手(工具を使わない状態)で限界まで締めたのち、ステムナットが1/4周〜1/2周するぐらいで締め付けることが多いです。
専用工具もありますが、持っていないのでいつもウォーターポンププライヤーで締め付けしています。
ステムナットを締めていき、フロントフォーク部分にガタが出ないことはもちろん、ステアリングの動きが渋くならない程度に締め付けるのが基本です。そのため、ちょっと締め込みハンドルの動きをチェック。また締めてチェック。これを繰り返しながら締め付けていくのが良いです。

ちなみに、ステムベアリング部分に使用するグリスは、モリブデングリスをいつも使用しています。別にモリブデングリスじゃなくても良いですが、荷重が掛かる部分なのでこれが良いかな〜っと。
締め過ぎも緩過ぎもだめ
ステムナットの締め付けは、締め過ぎもダメだし緩すぎも当然ダメです…。
締め過ぎてしまうと…
- ハンドルの動きが渋くなる
- レールに打痕が付く
ステムナットを締め過ぎてしまうと、動きが悪くなるのはもちろん、ベアリングの玉が強く押し付けられてしまうことから、ベアリングが稼動するレール部分に、丸い打痕が付いてしまいます。この打痕が付いてしまっている状態だと、ベアリングに微妙なガタが出る状態になります。
ステムナットを強く締め付けてしまうと、案外簡単に打痕が出来てしまいます…。
打痕や傷が付いてしまったレールは交換です…。ベアリングももちろん交換。
打痕部分にベアリングが来る際、隙間が出来る。もしくは、締め付ける際にベアリングが打痕にハマっていれば、打痕から抜けようとする際に、打痕が無い部分に大きな負荷が掛かるため、レール部分が一周傷が入ることになります。
当然、このような状態になってしまえば、ハンドル操作に大きな影響が出てしまいます。
そのため、ベアリングを乗せてグリスを塗る前には、一度ベアリングが乗っかるレール部分を綺麗に洗浄したのち、レールの上に打痕や傷がないかチェックしてから組み付けることをお勧めします。
まとめ
モンキーのフロントフォークを固定する際、ステムナットを締め付ける際には、一度ステムナットを手で回せるだけ回したのち、ハンドルを左右に何度か切って、ベアリングを馴染ませてから、本締めに入るのが正しい締め付け手順になります。
- ベアリングにグリスを塗る
- ステムナットを手で締められるだけ締める
- ハンドルを左右に4.5回切る
- ステムナットを少しだけ緩めて締め直す
再度ステムナットを本締めする際には、ハンドルの動きが渋くならない程度で締めてやればOKです。
工具を使用せずに、手で回せるだけ回したのち、ステム部分の動きが渋くなっていないかを確認しながら少しづつ締めていくことをお勧めします。
ざっくりですが、手で回せる状態から半周ぐらいの回転数かな?と思います。(最近ステムナットを締めてないので、感覚的な数字ではありますが…。)
緩んだら怖いから強めに締める。という気持ちは分からんでも無いですが、締め過ぎるとレールに傷が付いてしまいますので、必ずハンドルの動きを確認しながら締め付けて下さい。
トップナットで最後に締め付けるので、そんなに強く締め付けなくても緩むことはありません。
それでは。
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